会長ブログblog

2014.01.11

ウインター・スポーツ

一昨日から漸く本格的な降雪となり、気温も低く雪国らしい景色に変わった。

ソチ・オリンピックまで1ヶ月を切ったということでスキーやスケートの出場選手が
もっぱらテレビの話題の中心になっている。 特に今回から正式種目になった
女子ジャンプは、高梨沙羅選手が最も金メダルに近い存在として期待される。
これまでのワールドカップの成績から見れば当然の事だろう。

17歳という彼女のあどけない表情からは想像し難い、世界のトップ・アスリートと
しての技量と精神力の強さに頼もしささえ感ずる。 一方、スケート界も男女共に
世界トップクラスだが、期待が高すぎて実力を出し切れないでいる。
冬季オリンピックも歴史を重ね競技種目も増えたが、メダル取りの話題が先行する。

スキー離れが叫ばれる昨今、オリンピックを契機にウインター・スポーツを観戦する
だけの存在から自ら楽しみ、実践するスポーツとして見直す機会にしたい。
ウインター・スポーツが他と決定的に違うのは、季節だけでなく雪や氷がステージ
となる事で、風や気温といった自然現象をも相手にするということだ。

陸上など他の屋外競技では、追い風参考記録とか雨天中止とか自然現象を嫌う
傾向があるが、ウインター・スポーツではむしろそれらを克服する所も見どころだ。
最も過酷な自然環境の中で人間の持つ運動能力の限界に挑む姿こそ
ウインター・スポーツの魅力であり、その姿が数々のスターを生んだ。

映画「白銀は招くよ」にもなったトニー・ザイラーは別格としても、グルノーブル大会の
ジャン・クロード・キリーやレイクプラシッドのイングマル・ステンマルクのような
伝説のスター選手が輩出されたのもそうした事からだろう。
スキーもスケートも観る楽しみが高すぎる事が、むしろ仇となってしまっている。 

雪国に生まれ育ったからには、雪を克服する知恵だけでなく、雪を利用し、
雪を楽しむことこそ雪国文化と呼ぶに相応しいといえる。
20世紀にはそうした文化が造成され花開いた歴史があった。
21世紀を生きる私たちが、新たな雪国文化を創造せざる訳に行くまい。

空ひびき 土ひびきして吹雪する 寂しき国ぞ わが生まれくに  (柊二)


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