会長ブログblog

2011.06.25

昨日6月24日は美空ひばりの23回目の命日、りんご追分から「林檎忌」と呼ばれる。

作家の忌日を代表作に喩えて「〇〇忌」と呼ぶが、歌手では美空ひばりぐらいだろう。
歌手としての実績もさることながら、時代が国民的スターを創ったとも言える。
戦後間もない昭和22年のデビュー。 昭和20年の敗戦と焼け野原の絶望的な国の状況
から立ち上がるには、精神的な支えとしてのスターが必要だった。

敗戦により国家の威信を失い、食べるものも、住むところも失くしてしまった国民の心の
よりどころとして流行歌は歌われた。 歌が心の絆をつなぎ、人々を励ましてくれたのだ。
重く大きな試練でも、みんなで共有すればなんとか乗り切る事が出来る。
そんな時代が美空ひばりをはじめ数々のスターを生んだといえる。

近世のわが国は3度の大きな試練があったという。 最初が明治維新で、開国により新しい
時代の幕が開いた。 吉田松陰や高杉晋作、坂本竜馬らが時代を読み、尊皇攘夷運動へ
とつながる。 岩倉具視、大久保利通あるいは板垣退助や西郷隆盛そして福澤諭吉や
大隈重信らにより、富国強兵、脱亜入欧の流れが作られて行く。

いずれもが変わり行く時代に登場したスター達だ。 この時代に欧米列強のわかり易い
国家主義に基づく国益重視の外交を学び、国家観を醸成した。
2度目の試練が昭和20年の太平洋戦争の敗戦。 
そして3度目の試練こそが3月11日に起こった東日本大震災だ。

今のわが国に国益という発想が有るのだろうか? 魚沼市の現状を見ても、残念ながら
わが町の利益という考え方からは程遠い政治状況しか感じられない。
明治維新とも終戦後とも時代は違うが、せめて「絆」という言葉で繋がれる気持ちを共有
する事は必要だろう。

明日は東京堀之内会の25回目の総会が、いつもの上野精養軒で開催される。 
旧北魚沼郡の各町村在京郷人会が先月末から毎週行われ、堀之内会が最後になる。
理由は様ざまなれど、故郷を離れて半生を送ってきた人々が一堂に会す。 
「ふるさと」を思う強固な「絆」で繋がれている人たちの集まりだ。

ふるさとの 鎮守の森をめぐり鳴く 五月水田の 夜蛙の声  (柊二)


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