会長ブログblog

2019.08.24

処暑

例年より早めの秋雨前線の停滞により、今週はゲリラ豪雨や曇天が続いた。

明日からは「小出まつり」が始まる。お盆が過ぎ、残り少なくなった夏休み
最後のイベントだ。私の子供時代は近郷近在随一のお祭りで、諏訪町はもとより
本町十字路から上町四番町まで両側に露店が並び、本町の端は金物屋と瀬戸物屋、
続いて金魚売り、上町の端は植木屋が定位置だった。

今のような粉物屋は無く、射的や輪投げ、ユニークな品揃えのおもちゃ屋、
ママゴトセットや金魚すくい、ゴムヨーヨー釣り、綿あめに薄荷パイプ、
型抜きなど様々な露店、照明は独特の臭いと光のアセチレンランプだった。
花火も26日と27日の連夜打ち上げられ、華やかで賑やかなお祭りだった。

小出祭りが往くと、長かった夏休みも終わりを告げ、又、退屈な日常に
戻される。学校が始まると、僅か1か月で逞しく成長した同級生に戸惑う。
少年時代の夏は、時間の進み方が早送りされたかのような錯覚を覚える。
あの頃は毎年そんな風に過ぎ、カラフルな思い出だけを残してゆく。

先週末、ピーター・フォンダの訃報が届いた。アメリカン・ニュー・シネマ
のロード・ムービー「イージー・ライダー」で一世を風靡した。
父親は名優ヘンリー・フォンダ、姉はジェーン・フォンダで、常に父と姉の
名前が先に紹介されて、家族へのコンプレックスは相当のものだったと思う。

星条旗をあしらったガス・タンクのハーレー・ダビットソンのアメリカン・
チョッパーに跨り、デニス・ホッパーとディープ・サウスを走り抜ける。
ザ・バーズのテーマ・ソングとステッペン・ウルフの音楽が効果的に使われて
いた。ショッキングなラスト・シーンがアメリカ社会の病巣を暗示する。

フランスのヌーベル・バーグやイタリアのネオ・リアリスモが先行し、
日本でもアート・シアター・ギルドが低予算映画を世に送り出した時代。
世の中が既成価値から大きく転換する、カウンター・カルチャーと呼ばれた
新しい文化が若者を中心に、支持を広げてゆく時代だった。

あれから半世紀が過ぎ、今の時代にあの頃の先進思想があるやなしや。


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