会長ブログblog

2016.04.16

現美新幹線

新学期が始まり通学路には見慣れた小学生の集団登校の列が続く。

今週初め強い寒気が戻り、開花した桜に雪が積もる珍しい景色が見られた。
残雪のある中で桜が咲く風景は豪雪地魚沼ならではの風物詩だが、今春は
例年に比べ早い雪消えにより開花が進む中での思いがけぬ積雪だった。
4月は温度差が大きい上、強風日も多く1年で最も天候は不安定になる。

先月から運行が始まった北海道新幹線だが、去年の同時期に開業した
北陸新幹線に比べ乗車率が上がっていないという。
東北新幹線がそのまま函館まで延びただけで車両に新らしさは無いし、
競合相手が飛行機で新幹線よりも安くて早いのも原因だろう。

今週12日に上越新幹線の越後湯沢~新潟間を走る新型車両の試乗会に
行ってきた。 現代美術をテーマにしたその名も「現美新幹線」だ。
6両編成の各車両を6人の芸術家がそれぞれの個性的なデザインで演出し、
外観は蜷川実花による長岡花火をモティーフにした斬新で大胆な彩色だ。

4月29日のゴールデン・ウイークから運行開始となり毎週末や休日に
運行される。 中ほどの車両にはカフェが設置され、子どもたちも楽しめる
鉄道模型が走る。 私は荒神明香のインスタレーション車両と、季節の
変化を表わすブライアン・アルフレッドのイラスト映像の車両が気に入った。

現美新幹線は各車両の定員が20名程度で正に乗る事が目的だ。
席に座ってじっとしているのではなく、各車両の作品を見て回る。
片側にしかない窓は、景色を見るというより、トンネル区間で反写される
作品を見るための演出に使われている。

「世界最速の美術鑑賞」というキャッチ・フレーズを聞いて「動く喫茶店」
と呼ばれた、小田急ロマンスカーを思い出した。
スイス~イタリア間を走る世界遺産登録のレーティッシュ鉄道のように
乗る事が目的になって大勢のお客様で賑わう事を期待したい。

片道1時間程度の運行時間だから美術館の鑑賞には丁度良い。


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