会長ブログblog

2016.04.09

コンパクト・シティ

開花している桜を魚沼市内でも見かけるようになり、春本番到来だ。

先日、魚沼市役所新庁舎のデザインコンペのプレゼンが公開で行われた。
魚沼市は旧北魚沼郡六町村が合併して誕生した町だが、合併を一週間後に
控えた10月23日に中越地震が起こってしまった。
合併は予定通り行なわれたが、役所は災害対応に追われた。

だから直ぐには新体制に移れず、当面は旧町村体制を維持した形での
市制スタートとなった。 あれから11年と半年が過ぎた今でも、市役所は
分庁舎体制で事務を行ってきた。 その結果、非効率な行政運営が続き
このほど漸く新庁舎建設へと歩み出したところだ。

一か所に集まれば効率は良くなるが、離れた地域は影響を受ける。
そんな事を考えていて、政府機関の地方移転の話を思い出した。
東京一極集中の解消と多極分散型社会を造る目的だったはずだが、
結果的には文化庁を将来京都に移転する事だけしか決まらなかった。

歴史ある寺社仏閣、街並みや京文化が、世界に冠たる観光都市として
絶大な人気を博しているのに、今更政府機関を移転させる事はない。
日本列島全体を見ればもっと効果が期待できる地域は多くある。
折角地方移転を考えても京都や大阪では効果のほどは疑問だ。

一方地方の中小都市では長きに亘り郊外展開が進み、中心市街地の
活性が失われたのみならず、郊外の農地を潰し新たなインフラ整備に
財源が喰われ、収益を得るのは大手資本という不合理な町が造られた。
中心市街地への回帰によりもう一度持続可能な町に戻す事が必要だ。

旧市街の中心地に機能を集中させ、人々が集まり会話を楽しみ働く場
まで造るまちづくりがコンパクト・シティだ。 郊外の住まいから低負荷の
環境対応型公共交通機関(LRTなど)を整備し、各駅には駐車場が有り
通勤や通学、通院も容易となり、いつも賑わいが絶えないまちづくり。

新庁舎建設に合わせそんな町が出来れば魚沼市の未来は明るい。


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