2015.07.11
昨日は7月10日、夏の風物詩魚野川の鮎釣りが解禁となった。
水郷小出は川との付き合いが古く、舟運の時代には物流の拠点として栄え、
昭和30年代までは船大工も残っていた。 魚野川右岸柳原には、
細長く喫水の浅い釣舟が係留され、その姿が川景色を構成していた。
小出の河川改修により洪水の脅威と引き換えに河川環境が変わった。
一時は魚野川舟下りを観光業で営む会社もあったほどだ。
魚野川の川幅は広く水深も有ったので、舟を利用しないと魚影の濃いポイント
まで達しないから、友釣りであれ投網であれ漁には舟が必要だった。
今の魚野川は淵が浅く、瀬が連続しているので歩いても渡れる。
天然鮎は秋に下流域で産卵し、稚魚は冬の間海に出て、春には母川を
遡上しながら主に石苔を食み夏に成魚となる。 別名香魚の所以だ。
よって玉石が多く、流れの緩い石苔の豊富な中流域に生息する。
そうした条件の整った地が小出近辺だったから古くから鮎の名所だった。
近年、水質や河川環境の変化で鮎の個体が激減したため、地元漁協では
稚魚の放流により数を維持してきた。 しかし、本来天然鮎の棲まない
上流域でも放流するので、魚野川では湯沢や石打、破間川では入広瀬
といった上流まで鮎釣りが楽しめるようになったが生態系から好ましくない。
川は大人だけでなく子供たちの遊び場でもあった。 昭和30年代までは
水泳は川か海でやるものだった。 日本は海や川に恵まれ古くから水泳が
お家芸で、世界大会やオリンピックでも常に上位を占めた。
その後全国の学校にプールが造られ水泳はプールでやるものに変わった。
少し前、水質汚染が問題になった頃から川遊びを制限するようになった。
最近では下水道の普及で水質も改善され、夏休みには子供たちの姿が
水辺に復活してきた。 魚沼は水が豊富で河川環境に恵まれた土地だ。
川に親しみ、川を活用することが、水郷小出の本来の姿だ。
簗の簀に 鮠数十尾走りくる 水に真向ひ その背を並ぶ (柊二)
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