会長ブログblog

2018.09.22

樹木希林追悼

秋彼岸に入り、今夏の猛暑が嘘のような涼しい気候となり、稲刈りも進む。

米作りは機械化が進み、田植えもそうだが、稲刈りも大型コンバインの
活躍で晴れた日には田園風景が朝晩で一変するくらい短時間で刈り取られる。
こうした進化により、手作業で田植えや稲刈りをやらなくて済むから、
今では腰の曲がったお爺さんやお婆さんをほとんど見かけなくなった。

そんなお婆さん役が得意だった女優の樹木希林の訃報が届いた。以前からガンに
蝕まれているという告白が有り、全身に転移しているという話も聞いていたが、
それにしては最近の是枝裕和監督作品の常連だったし、今年も「モリのいる場所」
「エリカ38」などに出演していたから、まだやれるのだろうと思い込んでいた。

昭和40年代、石井ふく子や久世光彦といったプロデューサーや演出家を擁し、
原作・脚本には向田邦子がいたTBSがドラマではトップランナーだった。
そんな時代のヒットドラマが「時間ですよ」で、主演は森光子だったが、
当時悠木千帆という芸名で脇を固めたのが樹木希林だった。

「時間ですよ」では、天地真理がマドンナ役で挿入歌として歌った「水色の恋」
のヒットにより一躍スタアに上った。昭和48年からの第2シリーズでは、
浅田美代子の「赤い風船」や堺正章の「街の灯り」がヒットし、昭和49年の
第3シリーズでは、さくらと一郎の「昭和枯れすすき」を使う演出がうまい。

昭和49年からは「寺内貫太郎一家」が始まり、悠木千帆から樹木希林に改名。
相変わらずの老け役で人気を不動にした。昭和50年から始まった「ムー」
「ムー一族」では、郷ひろみとのデュエット曲「林檎殺人事件」もヒットし、
芸能界での存在感は大きなものとなっていった。

私生活では、同じ文芸座所属の名優岸田森と結婚したが長続きせず、その後
ロックンローラー内田裕也と再婚するも別居状態だった。美人女優は数多あれど
樹木希林の代役が務まる女優は知らない。是枝作品も良かったが、近年では
河瀬直美監督の「あん」での主演が忘れられない。ご冥福をお祈りいたします。

「はい、みなさん、今世はこれにてご無礼いたします」 (樹木希林)


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