会長ブログblog

2013.09.21

立侍月

今週は好天に恵まれ、一昨日の中秋の名月もきれいに浮かび上がった。

各地に大きな爪痕を残した台風18号が去って、季節が秋に変わった。
空は高く、空気は澄み渡る。 越後三山も久しぶりにくっきりと姿を現わした。
今夜は十七夜の立待月。 陽が落ちると間もなく昇ってくる。
明後日は彼岸の中日、この連休で平場の稲刈りは極まりになるだろう。

農作業の機械化が進み稲作に手間が掛からなくなった。
苗代から起こす農家が減り、田植えも稲刈りも機械でやるから早い。
でも、水の管理や雑草取り、そして生育に合わせた時々の手の入れようで
収穫時期を迎えた今、差が出る。 農作物は正直だ。

魚沼コシヒカリはブランド米だが、産地は結構広い。 南・北魚沼、小千谷、
十日町、津南までが魚沼地域だ。 松代、松之山が十日町に合併して
その分増えたが元々の気候・風土は似ている。 小千谷も山間地は似た環境だが、
小和田原と呼ばれる長岡に近い平坦な地域を魚沼産と呼ぶのには抵抗がある。

反収も山間地では7~8俵程度だが、平場なら10俵は上がる。
正直食味に際立つ差は感じられないが、本当に美味しいお米はやはり
収量の上がらない山間地の米だ。 同じ地域でも西側斜面と東側では
日照時間も気温も風向きさえも異なるから、品質も違う。

魚沼は雪国ならではの良水と気候風土に恵まれて、美味しい米が出来る。
東南アジアの国々には米作を中心とする農業国が多いが、どこの国の人でも
日本の米は世界一美味しいと、評価してくれる。
その中で頂点に立つのが魚沼コシヒカリだ。

今日は農民作家、宮澤賢治が37歳の短い生涯を閉じた命日にあたる。
現在の岩手大学農学部に学び、花巻農業高校の教師も務めた。
音楽を愛し、詩や童話も多く残したが、底流には農民らしい自然に対する
畏敬の思想が流れていた。

けれども ほんたうのさいはひは 一體なんだろう (銀河鉄道の夜)


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