会長ブログblog

2013.07.27

奥只見の魚を育てる会

7月最後の週末、銀山平では恒例となった「真夏の雪祭り」が開催される。

春先に、断熱シートを掛け保存しておいた雪山で、この時季に雪遊びをする。
なんとも贅沢で涼しげなお祭りである。 銀山平の荒沢岳を望む中荒沢では、
断熱シートを掛けなくとも1年中万年雪が残っている。
銀山平キャンプ場から少し歩けば、そこには別世界が待っている。

万年雪が気温や湿度に影響を与え、一年中雪解け時のような環境を造る。
だから、春先に咲く花が真夏に咲いていたりする。
銀山ぜんまい、銀山蕗、銀山なめこなど、銀山平でしか採れない山の恵みも多い。
総じて平地のものと比べ、大きくて立派なのに、柔らかく食味もよい。

子供の頃「ウルトラQ」というテレビ番組があって、アンバランス・ゾーンとか
超常現象という言葉を知った。 銀山平に遊んで、まさにそうした言葉がぴったり
の場所だと思った。 兎に角、あらゆる植物や魚などが大型なのだ。
この地を気に入って紹介し世に出したのが、あの開高健だった。

三尺を超す大岩魚が釣れるという話で銀山に入り、釣りを楽しみながら
小説の推敲を練った。 開高が銀山を世に出したお蔭で、全国からの釣り人が
銀山に入り、乱獲状態となった。 その様子を見た開高は「キャッチ&リリース」
を提唱し、母川の北の又川を全国でも珍しい禁漁区にした。

自らが会長となって「奥只見の魚を育てる会」を設立し、資源保護に取り組んだ。
その結果、今でも銀山湖(奥只見湖)では大岩魚の釣りが楽しめる。
自然環境を壊すのも人間なら、守り残して行くのも人間だ。
そのことを実体験から教えてくれたのが、開高健だった。

自然相手の取り組みでは、やれる事をやる事が重要だ。
「奥只見の魚を育てる会」の活動は、その意味で分かり易い。
「地球温暖化対策」などと、問題を大きくし過ぎると何をどうすれば良いのかが
具体的に見えてこない。 一歩一歩やれる事をやる。 それだけだ。

明日世界が滅びるとしても 今日あなたはリンゴの木を植える (ウォルトン)


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