会長ブログblog

2018.02.10

雪、美しい資源

今週も福井、石川そして県内平野部でも大雪が続き大混乱の日々だった。

豪雪地魚沼では小出で積雪が2m、入広瀬では3mを超えたくらいだから
まずまず平年並みの状態といえる。そして今冬はいわゆる里雪型で普段
あまり降らない地域で多く、例年の3倍とか4倍とかの積雪になっている。
福井市では昭和38年のサンパチ豪雪以来、55年振りの大雪だという。

予定していない所に1mを超える降雪があり、トラックが列を作って全く
動かない状態がテレビで写し出される。国道は完全に止まったままだ。
物流もそうだが、何より運転手さんたちの健康状態が心配になる。
自衛隊が出動し、漸く開通するまで60時間以上も閉じ込められた。

雪のあまり降らない地域の人たちがあの画面を見れば、雪に対する恐怖心が
醸成されるだろう。ワイドショーのスタジオからキャスターが、現地で
取材するアナウンサーに問い掛ける言葉は、台風中継と同じ口調だ。
カメラも出来るだけ大変な場所を写し、高齢者が一人で除雪する姿を流す。

これでは雪国がこの世の地獄みたいに見えてしまうではないか。
雪でも雨でも降り過ぎれば災害にもなるが、貴重な天然のダムでもある。
米や野菜を始め、あらゆる農作物を栽培し収穫できるのも豊富な水資源の
お陰だし、雪景色の美しさは古くから「雪月花」として愛でられてきた。

日本列島のある北緯25度から45度の地域は、地球上ではサハラや中東、
ゴビ、タクラマカンから北米まで基本的には砂漠地帯だという。
ヒマラヤ山脈やアジア・モンスーンが日本に大量の雨を降らせ、豊かな
植生を創り出している。まさに砂漠地帯のオアシスなのだ。

去年も九州北部豪雨災害があったし、今冬は豪雪だ。しかしこの雨こそが
奇跡の要因となり美しい日本列島を創ってくれているのだ。
縄文時代から人類が住み着いてきた歴史を見れば、豪雪何するものぞだ。
テレビの影響に負けないように、雪国の暮らしや遊びを発信してゆこう。

明日は堀之内の伝統行事、新婿受難の天下の奇祭「雪中花水祝」が行われる。


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