会長ブログblog

2012.10.20

秋の月

今日は秋土用の入り、10月も下旬となり紅葉は遅れているが季節は進んで行く。

銀山平の旅館や売店は11月3日の文化の日でシーズンの営業を終え、冬囲いをして
山を下りるのが通例だったが、近年は紅葉が遅れ時季がずれて来ている。
海水温が高いため漁業にも影響が出ている上、10月に入ってからも頻繁に台風が
発生し動向が心配される。

温暖化が言われて久しいが、新米の出回る今頃、かつて山間地の稲は冷害が
心配されたが、最近では高温被害の方が話題を取るようになった。
気候の変動はゆっくりだが確実に起こっている。 農作物や生態系そのものにも
影響を与え、みかんやお茶の北限も上っていると聞くが真偽は定かでない。

天気予報は空模様の他、気温や風向・風力も伝えるが、季節によって温度分布の
色分けも変わる。 暑さや寒さを色で表し、夏はオレンジから赤が使われるが、
冬には青から白へと変わる。 これからは西高東低の気圧配置が周期的に表れ
時雨模様の日々が多くなる。

雪国の建設業は降雪期を控え追い込みに入る。 豪雪地は半年近くの期間
雪に埋もれるから、実質工期は半年程度しかなく完成を見ないで降雪繰り越しに
なる現場も少なくない。 農作物に関しても同様で、雪の降り積もる期間は耕す事が
出来なくなるから農地は半年休むこととなり、その休養が良い作物を育てる。

こうした雪国特有の季節の流れは独特の生活文化を育んだ。
そこから生まれるのは、じっと春を待つ忍耐力か? 厭世観か?
かつて故郷を離れ東京へと職を求めた越後人は、勤勉で辛抱強いと評価された。
朝の早い新聞配達や豆腐屋そして銭湯といった仕事を進んでこなしてきた。

どんなに季節感が薄れた社会であっても、豪雪地の冬ばかりは圧倒的に季節を
主張する。 白一面の雪景色は他のどの季節とも間違うことは無い。
継続が危ぶまれていた市内のスキー場も、今年は全て営業することになった。
雪と戦い、雪と遊び、雪と共に生きる、たかが雪、されど雪だ。

あめつちに わが悲しみと月光と あまねき秋の 夜となれりけり  (啄木)


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