会長ブログblog

2012.09.15

奇跡の町

堀之内の十五夜祭りが行われているが、今年は日巡りが良く15日にあたった。

このお祭りも以前は名前のごとく、9月15日を中心に行われていたが、
平日だと参加し難いとの事で第2週の週末に変更された経緯がある。 
今年は本日の中日が丁度15日に当たったから都合は良いが、肝心のお月様は
二十九夜で明日が新月となり、本来の十五夜とは裏腹の月齢になった。

お盆や小正月そして十五夜などの行事は、すべからく満月の夜に設定されていた。
満月の月明かりが夜の催事には重要であったし、望月は豊かさを表す象徴でもあった。
太陽暦では月齢と日にちの関係が崩れたので、結果としてはお盆や十五夜のお祭り
も本来の月の朔望とは連動しなくなったから、週末などに変更されたものが多い。

越後堀之内は歴史と伝統を重んずる職人の町だ。 古くから皇大神宮ではお神送りと
お神迎えの祭事に合わせて市が立ち、近隣から多くの人々が集まる。
これに倣い近年では商店主たちの呼びかけで、毎月第一日曜日に皇大市と銘打って
市を立て賑わいを恢復させている。

一方、八幡宮では秋の十五夜祭りと、真冬の奇祭「雪中花水祝」が行われる。
十五夜祭の見ものは、何と言っても各町内から繰り出される神輿の練り歩きだ。
最終日には各町内の神輿が一斉に繰り出す、神輿巡行が行われる。
魚野川を下って商店街の中心となる六間小路に集合し打ち上げとなる。

どんなに厳しい残暑の年でも、堀之内の十五夜祭りのフィナーレを飾る民謡流しの
時間には涼しさを通り越して寒いくらいの夜風となる。
帰り屋台が賑わった祭りの終わりを告げる曲を奏でながら通り過ぎて行く。
何時だって祭りの後は寂しいものだ。 あと何回祭囃子を聞けるだろうか?

9月15日といえば「ポートレート イン ジャズ」や「ワルツ フォー デヴィー」で
知られる伝説のピアニスト、ビル・エヴァンスが51歳の若さで逝った命日でもある。
麻薬に依存した生活で体を蝕まれ、亡くなる直前までライブハウスでの演奏を
続けたが、残された名演奏や名盤は麻薬をやる以前のものばかりだった。

さ庭べに 夏の西日のさしきつつ 「忘却」のごと 鞦韆は垂る  (柊二)


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