会長ブログblog

2012.06.30

しねり弁天・たたき地蔵

今日で6月も終わり明日は7月1日、夏本番となり半夏生を迎える。

東京堀之内会総会が24日に上野精養軒で行われ、魚沼の東京郷人会が一段落した。
今年は様ざまなイベントと重なってしまい、広神会、湯之谷会、小出会の総会には出席
叶わなかったが、最初の守門会と締めくくりの堀之内会には参加することができた。
精養軒では全国各地の郷人会が行われるが、堀之内会に勝る規模は無いという。

その堀之内会での話題は最年長参加で下倉出身の101歳、関照代さんだ。
昨年に続き今年も登壇し、100年の人生を詠む自作の詩吟を朗々と詠唱された。
「来年もここで会いましょう」を合言葉に、懐かしくて賑やかな会はお開きとなった。
上越新幹線が開通して、東京乗り入れ以降は上野駅への想いも薄れてしまった。

上野駅から郷愁が消えると共に、郷人会から若い世代も消えてゆく。 上越新幹線が
大宮まで開業して今年は30年が経つ。 東京駅に乗り入れてからも21年が経った。
東京が近くなり乗車時間が短くなると、駅での滞在時間も少なくなる。
かつて、様ざまなドラマの舞台であった駅が、通過するだけの所となってしまった。

東京駅新幹線ホームは、折り返し行き交う列車が引っ切り無しに出入りして忙しない。
長いプラットホームを乗り換え口に向かって歩くでもなく、エスカレーターで自動的に
運び出されてしまう。 到着の余韻も、出発の希望も感じることなく目的地に向かって
ひたすら移動してゆく乗客の群れ。

弁当売りも靴磨きも姿を消し、浮浪者さえもいない清潔な駅からは人生の匂いも消えた。
駅舎そのものも駅特有の大伽藍が消え、待合室は機能だけの狭い空間となり、I Pod
からの音楽に聞き入るか、ゲーム機のディスプレー相手に個独な時間を過ごしている。 
何か大切なものを置き去りにしてきたような、言いようのない寂しさを感じる。

時代が変わったと言ってしまえばそれまでだが、そうではない世界もある。
今夜は小出の天下の奇祭「しねり弁天・たたき地蔵」が行われる。 こちらは否応なしに
人と人との触れ合い無しでは成り立たないお祭りだ。 こうした伝統を受け継いで行く
若い人たちがいる限り、地方の町から希望の灯が消える事は無い。

ふるさとの 訛なつかし停車場の 人ごみの中に そを聴きにゆく  (啄木)


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