2012.04.21
旧暦では昨日が3月30日、そして今日が閏3月1日となり2度目の3月を迎える。
さすがに4月も下旬となり、ようやく雪解けも進み遅い春が巡ってくる。
雪が解けると何になる? という理科の問題に「水」ではなく「春」という答えがあって、
それを正解にした話は有名だ。 国語力という視点からは問題の意味理解が不足だ
とする意見も尤もだが、硬いことは言わない。
「とける」という言葉は多様な意味を持つ。 「雪が解ける」は気温が上がって春が来る、
雪国では暖かな良い季節が始まる期待を感じさせる言葉だ。
気温が上がって自然に無くなるのは「解ける」だが、消雪パイプなどで人工的に消雪
する場合は「溶かす」を使う。
雪や氷は「解ける」というより「融ける」の方が感覚には合うが、国語では「融」は「ゆう」
としか発音しないから「融雪」という言葉はあっても「雪融け」とは書かないそうだ。
謎が解ける、誤解が解けるの「解ける」は、物事が解決する意味になるが、世の中
解けない問題ばかりが目立ってストレスがたまる。
緊張や束縛から解ける、固い物が流動化するのも溶けるという。
建築の世界では「負ける建築」で有名な建築家・隈研吾の提唱する、景観や自然に
溶け込む建築という発想がある。 目立たないことに価値を見いだす逆転の発想だ。
このほど、大手通りに新築移転した長岡市役所「あおーれ長岡」の設計を担当した。
隈氏の著書「新・都市論 TOKYO」の続編ともいえる「新・ムラ論 TOKYO」を読んだ。
採りあげているムラは、下北沢、高円寺、秋葉原そして小布施だ。
我が国の村的集合体の滅亡と、その陰にある都市の病理を端的に指摘する。
都市計画や土地利用計画を否定的に捉えながら、それぞれの場所を検証する。
人間や会社と同じようにまちにも個性があり、独自性(アイデンティティー)を持つ
まちの魅力が伝わってくる。 東京にはこうした個性的なまちが多くある。
東京というメガロポリスの中では、主張し続けなければ埋没しかないのだろう。
地方では唯一採りあげられた小布施の先進に見習うところ多だ。
♪ 君は何処に住んでいたのですか 高円寺じゃないよね だって・・・ (拓郎)
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