会長ブログblog

2012.02.04

立春

今週は大雪のニュースが連日流れ、あちらこちらで雪崩や雪に伴う被害が多く出た。

県内でも津南や妙高が取り上げられていたし、海岸・平野部でも例年より荒れた。
新潟県と魚沼市も雪害対策本部を1月31日に設置し警戒を強めている。
天気予報の中でも降雪予報はかなり高い確率で当たる。 西高東低の気圧配置と
どの位の寒気の強さかで容易に予測できるからだ。

かつての天気予報は、全国の測候所からの定点観測と船舶からの海上観測により
天気、気温、風向、風力、気圧の情報で天気図を描いて予測した。 地上の観測値に
よる天気図は、上空の気流や小さな気圧の変化は分からないのでしばしば外れた。
現在では定点観測の他、気象衛星からの情報があるので格段に進歩した。

そうした確率の高い情報を得ていても、毎年雪による事故や被害が出てしまう。
雨や風による災害は、どちらかというと予想以上の量や力が主な原因だ。
降雪・積雪の予報は比較的多めに出している。 新潟県中越地方の山沿いの
多いところで80~100cmとか言うが、大体その数値の下で収まる。

しかし降る事は間違いないのに、雪による災害が絶えない。 原因は対応の間題だ。
昔は屋根の構造が違った。 急勾配の茅葺き屋根の雪下ろしなどありえない。
屋根に雪は積もらないから、雪下ろしも無かった。 今、自然落下屋根と呼んでいる
屋根は昔ながらの考えに近いものだ。

家の周りには消雪用の水棚が廻してあり、落ちた雪は処理される。 電気も石油も
使わずに、労力さえ掛けずに雪の処理をした。 こうした当たり前のやり方を忘れて
雪の処理に追われ、お金を掛け、難儀した挙句が事故に繋がる。
敷地や水の無いところは、家を護るための雪囲いをして暗いのは我慢する。

雪は必ず降るから、雪国には雪国ならではの雪との付き合い方がある。
誰の力を借りなくとも、お金や労力を掛けなくとも、心配の無い生活でなければ
雪国には住めない。 雪を利用する利雪、雪に親しむ(遊ぶ)親雪という考え方は
共感できるが、克雪は自然が相手だけに謙虚な姿勢で取り組まなければならない。

冬川の 石のあひだの ながれ水 ながれ清みて 芹生ひにけり (牧水)


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