会長ブログblog

2010.05.22

ライフサイクルコスト

明日5月23日は、魚沼市小出郷文化会館に野外ステージが出来、杮落しが行われる。

出しものは文化会館の地元、干溝歌舞伎の公演と落語家によるパロディー歌舞伎「鹿芝居」
だが、見ものは野外ステージに作られた歌舞伎小屋と上下両花道の威容だ。
小出郷文化会館は、元々新潟県のレクリェーション都市公園の敷地に建てられたので、
響きの森公園の中にあり環境は良い。 

響きの森公園の中心に「雪のコロシアム」(円形広場)があり、夏場になるとこれまでにも数々
の野外イベントが行われてきた。 しかしその都度仮設ステージが必要でコストもかかって
いたので、新たに常設の野外ステージを作ることとなった。 市民参加型の運営で知られる
文化会館なので、計画時点からワークショップを重ね、様ざまな意見を集約しながらも最後は
予算の制約の中で作られた施設だ。

予算の制約は、どんな施設にもつきものだ。 与えられた条件の下、機能を維持しつつも
削れるところを考える。 削り方を間違えると、使い勝手が悪くなったりかえって将来新たな
投資が必要となり、結果として高いものになってしまう。 建設の世界では初期投資額
(イニシャルコスト)と維持管理費(ランニングコスト)両方でライフサイクルコストという考え
方をする。

実は、響きの森公園には最初から野外ステージは、設置されていた。 会館からコロシアム
をはさんで反対側の「土の広場」の下に、空間には不釣り合いな小さなステージがある。
ステージが小さい事と、音が会館に反響してしまうため、あまり使われてこなかった。
出来上がった施設を誰がどういう目的で使うのか? 想像力が試されているのだ。

あらゆる建築物には、耐用年数がある。 出来上がったものには、必ず終わりも有る。 
時間が限定されているのは、生命体だけではない。 無機質の建築物にも寿命はある。
でも、生命体も建築物も維持管理することで、寿命は格段に延ばせる。 コンクリートや
鉄鋼で出来た橋のことを永久橋と呼ぶが、永久のはずが無い。 特に昭和30~40年代
に造られた橋には、耐用年数が迫っているものも多い。 財政が厳しいからと、メンテナ
ンスを怠ると利用年数が短くなり、ライフサイクルコストの高いものとなる。

「雪のコロシアム」では、毎年「国際雪合戦」が行われる。 この施設が出来るまでは
雪合戦の会場は北部公園であったり、今のボランティアセンターの敷地であったりした。
その歴史があったから、響きの森公園に「雪のコロシアム」が造られたのだ。
野外ステージもまた、ライブピクニック・イン小出や八海山麓コンサート、銀山カーニバル
といった歴史があって、ようやく常設のステージが完成する事となった。

これからこのステージを使って、どんな感動が体験出来るのか? 
魚沼に地域からの発信施設が叉一つ出来た。 楽しみだ。


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