2009.11.07
今日は二十四節気の一つ立冬だ。 暦のうえでは今日から冬になる。
今年は、晴れの特異日とされる文化の日が寒波で荒れ、越後三山から小出まで
一気に初雪となった。
この地方の初雪には順序があり、はじめに越後三山が冠雪し、奥只見・銀山平が続き、
権現堂山に降りてから、大白川や大湯・栃尾叉、その後小出に来る。
山の表情の移ろいを感じながら、季節の動きを観る。
雪国では、季節を迎えるのに仕度が必要で、特に冬の準備は重要だ。
今では水棚を廻す家は少なくなったが、庭の冬囲いは必要だ。
昭和40年代中頃までは、クーラーが無かったので温度調節のため、
夏と冬で「建具」を入れ替えたり、「屏風」や「掛け軸」も季節に合わせて変えた。
伝統的な「日本の家」が少なくなり、機能を追及する文化住宅が多くなった。
エアーコンが普及し便利な生活にはなったが、日々の生活から季節感がうすれ、
その分、住まい方へのこだわりが軽くなる。
四季折々の室礼で、時候や涼しさを演出する風流にも疎くなった。
それでも冬になると、居間に電気式の「火燵」をしつらえる。
火燵の上には、みかんがあり、あたる家族の距離が近くなる。
火燵や囲炉裏は、四角い形で囲む人の顔が見える造りだ。
テレビの無かった時代、視線の先にはお互いの表情があった。
わずか三尺の四辺に、家族の多い時代五人も六人も入った。
火燵にあたるときには、熱を逃がさないように入ったり、他の人の迷惑に
ならないきまりがあり、守らないと年長者からしかられたものだ。
火燵のあたり方ひとつで、行儀や作法を教える、生活の知恵であり文化ともいう。
寒い夜は、火燵に入ってラヂオを聞こう。
中島美嘉の「雪の華」が流れるのを待ちながら・・・。
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