会長ブログblog

2009.10.31

深まる秋

季節の中で、深まると表現されるのは秋だけだ。

ブナやナラに代表される落葉広葉樹は、東日本の山岳地帯に多く分布し、西へゆくと
椿や柑橘類に代表される照葉広葉樹が増え、落葉するのはもみじや楓などに限られる。
緑を残しての紅葉も美しいが、全山紅や黄に燃え落葉する潔さに、より強くひかれる。
おちばは土に還り、豊富なミネラルで大地を潤し、その恩恵は川を経て海までおよぶ。

魚沼市は、紅葉の名所として奥只見湖・銀山平が有名でJR東日本の
新潟デスティネーションキャンペーンに向けた、銀山平・北の叉川の錦秋の大型ポスターが
首都圏の各駅を飾っている。
只見線は昨年度、日経プラスワンで紅葉の美しい鉄道路線ランキングで日本一に輝き
観光列車「もみじ号」も、今年は今日から文化の日までと来週の週末2日間、計6日間
増発運行される。

秋がテーマの曲も多い。  「枯葉 オータム リーブス」や「オータム イン ニューヨーク」、
「トライ トゥー リメンバー」、「ティス オータム」といったスタンダード。 
ちょっと懐かしいところで、南沙織の「色づく街」や山口百恵の「秋桜」、
本田路津子の「秋でもないのに」は、題名とはうらはらに秋の歌だ。
唱歌ではサトウハチローの「小さい秋見つけた」、三木露風は「赤とんぼ」を創った。
いずれのジャンルにも共通するのは、そこはかと無い哀愁がただよう事。

今日で10月も終わり晩秋に入る。
いつの間にか夕暮れが早まり、影を長く落とす。
冬に向かうこの時期が雪国では一番つらい。
初雪の便りに冬の準備が始まり、この季節独特の匂いが寂寥感をはこぶ。
知らない街へ旅に出たくなる、中村八大と永六輔の「遠くへ行きたい」もこの季節だ。

昨夜は「後の月見」、旧暦9月13日の「栗名月」だった。 十三夜にしては月齢が若く
痩せて見えたが、夕刻は少し霞んだものの、夜が更けると美しく輝いた。
「天の川」がゆき、星空を見るのに良い季節になった。
チェット ベイカーでも聞きながら、ウイスキー片手に天体観測としゃれるか。

心なき 身にもあわれは 知られけり 鴫立つ沢の 秋の夕暮れ (西行法師)


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