会長ブログblog

2021.09.25

アナログ回帰

今週は連続した好天に恵まれ、21日夜の中秋の名月も煌々と夜空に輝いた。

彼岸も明日で明け、これからは秋が深まってゆく。昨夜から明日迄の3日間
小出郷文化会館で「魚沼映画の専門店」の上映会をやっている。今回の作品は
毎年文化庁から無料配給される、なつかしの日本映画の4本立てだ。過去の
上映作品は、溝口健二、小津安二郎、黒沢明、成瀬己喜男などが中心だった。

何れも日本映画の巨匠と呼ばれ、国外も含め多大な影響力を持った監督たちだ。
他にも木下恵介や新藤兼人、大島渚、岡本喜八、川島雄三など錚々たる監督の
作品が組まれていた。今年はまだ記憶に新しいプログラムが追加されたので、
早速リクエストし、配給された作品だ。

1995年の是枝裕和監督「幻の光」1998年の平山秀幸監督「愛を乞う人」
2001年の行定勲監督の「GO」2006年の西川美和監督の「ゆれる」という
ラインナップで、各種映画賞を受賞した作品だ。これらは全て35ミリフィルム
で配給され、映写機による上映となる。会場使用協力金500円で全て見れる。

映画の配給はここ20年くらいで随分変わった。35ミリフィルムからブルーレイ
に変わり映写技師は要らなくなった。映画館での上映には高光度プロジェクターが
必要で、100万円を優に超える高額な機械だった。漸く設備を更新した頃には
現在のデジタル配信方式に変わった。

デジタル配信には専用の機器が必要で、1000万円を超える設備投資の負担に
耐えられず閉館に追い込まれた小規模館も多かった。映像技術の革新はスピードが
速く、映画だけでなく元となる写真の世界も大きく変えた。携帯電話のカメラが
主流となり、コンパクトデジタルカメラは姿を見なくなった。

しかし、年に一度フィルム上映をして気付くのは、映像の鮮明さやクリアーな
音質はデジタルに譲るが、色調はフィルムが優るという点だ。最近フィルムカメラ
の「写ルンです」が人気で、製造待ち状態が続いているという。レコードの復活も
そうだし、アナログの良さを見直す動きは若者を中心に確実に拡がっている。

月みれば 千々に物こそかなしけれ わが身ひとつの秋にあらねど (大江千里)


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