会長ブログblog

2020.11.21

越後瞽女

今週16日には、市内トップを切って奥只見丸山スキー場の安全祈願祭が行われた。

初雪の残雪が残る中、今シーズンのお客様とスタッフの安全とコロナ禍の早期終息を
祈願した。昨シーズンは記録的小雪で、平場のスキー場が営業できなかったため、
春スキー営業を繰り上げ3月初旬から始めたが、新型コロナ感染が拡大する中、東京圏
のナンバー・プレートにクレームが寄せられ、残念ながら営業自粛せざるを得なかった。

昨シーズンの雪不足と春からのCOVID19により、観光業界は大きく疲弊した。
だから、今シーズンにかける期待は大きい。スキーは屋外スポーツの上、マスクに
ゴーグルが標準装備だし、スキーの長さでソシアル・ディスタンスが確保されるから、
今の時代にはピッタリのウインター・スポーツといえるので、期待したい。

昨夜から、小出郷文化会館で映画「瞽女」の上映を行っている。全国的には大正から
昭和にかけて姿を消したが、昭和40年代まで残ったのが新潟県の長岡と高田瞽女だ。
映画は長岡瞽女の小林ハルさんがモデルで、生後間もなく失明し、生きてゆく為の
厳しい躾を受け、5歳からつらい瞽女修行を経て、一人前の瞽女になるまでの物語だ。

昭和52年に篠田正浩監督が撮った「はなれ瞽女おりん」は、水上勉の小説が原作で、
集団から離れ単独で活動する瞽女物語で、岩下志麻が主演した。原田芳雄、樹木希林、
横山リエ、奈良岡朋子、原泉や殿山泰司、山谷初男、西田敏行ら当時の個性派俳優が
出演し、音楽は武満徹、美術を粟津潔が担当した意欲作だった。

今回は瀧澤正治監督で、主演は川北のん、吉本美愛の二人、小林綾子、渡辺美佐子、
左時枝、渡辺裕行、国広富之、寺田農らが出演し、奈良岡朋子が語り部を務める
のは前作との縁か。昨夜と今日の昼上映には、瀧澤監督の舞台挨拶がある。
又、今日の昼上映後には、六日町在住の伝承者が瞽女歌を披露する。

小林ハルさんは8歳で巡業に出て以降、昭和48年に廃業するまで、県内は元より
山形県庄内・米沢地方や福島県奥会津地方などを巡った。昭和53年には国の無形
文化財に指定された。晩年は「胎内やすらぎの家」という施設で暮らし、そこで
嘗ての弟子たちと再会し、以降も瞽女歌伝承を続けて105歳の天寿を全うした。

瞽女が活動した時代は厳しい社会だったが、人々の心に共助の精神は根付いていた。


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