会長ブログblog

2020.10.31

お神おくり

先週末、越後三山に初冠雪が観測され、麓の紅葉との対比は神々しい絶景だ。

今日は10月31日で、今月二度目の満月となる日だ。ひと月に二度満月を
見るのは所謂旧暦の時代にはあり得ない事だ。二日前の十三夜は曇りだったが、
時々雲の隙間から栗名月とも呼ばれる「後の月」が見えた。何時頃からだったか、
わが国でもハロウイーンの行事が定着し、子どもや若者が仮装して街に繰り出す。

例年渋谷駅のスクランブル交差点や、道玄坂の三叉路付近の賑わいがテレビに
写し出され、多くの人出で警察官が交通誘導する様子が年中行事となった。
しかし、今年はCOVID19の感染症のせいで、何時もの賑やかさは無く、
それぞれの家庭や、仲間内だけで楽しむのだという。

ハロウイーンの起源を調べると、クルド人の新年を迎える行事だというから、
日本でいえば、大晦日とか節分とかに当たるようだ。洋の東西を問わず、
一年の区切りをお祭り騒ぎで締めくくるのは同様だ。明日からは11月に入り
コロナ禍で異例づくめの今年も、残すところ61日となる。

明日11月1日は、越後堀之内の皇大神宮参道で「お神送り」が行われる。
出雲大社での神々の集まりに送り出す行事だが、我が地では月遅れで行なう。
様ざまな雑貨や工芸品、農作物に食品などを商う露店が出店し、近在・近郷
からの人出で大層賑わう。来月1日には、同様に「お神迎え」が行われる。

ハロウイーンも節分も、お神送りも、その他多くの祭事も、人間が神様に
感謝するための行事であり、神とは自然の成り立ち、摂理そのものと考える。
地球上のあらゆる現象は自然の成せる業であり、私たちはその下で生かされて
いるという謙虚さが、こうした祭事の根底にはある。

科学技術の発達や物質的な豊かさが、愚かな人間から謙虚さや物事の真理を
見え難くする結果を招いた。私たちは年中行事や祭事を通じて、地球上全ての
生き物と共にあることを改めて認識しなければならない。地球や地域の未来を
良くするも悪くするも、私たち自身の行動に掛かっている。

老い初めし この胸底の漠さをば 何に喩えて 子らに告ぐべき (柊二)


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