会長ブログblog

2020.09.12

地消地産

例年と違う生活を送る人間社会だが、農作物は例年通り季節と共にある。

連続発生の台風によるフェーン現象で、新潟県が全国1の高温を記録している。
その結果、例年より早い刈り入れ作業が本格化してきた。今年も米余り状態が
続き、米価は下落傾向という。日本人が米を食べなくなった上、新型コロナ禍
により外食産業が振るわず、需要が落ちているせいだ。

こうした所謂米離れは、生活が豊かになり、食事の種類の多様化や生活スタイル
の欧米化などにより起きてきた。食糧不足の時代から、飽食の時代へと変わり、
栄養失調から栄養過多に、日本人の健康状態も病因も時間をかけて変化した。
こうした流れは、これからも続くだろうし、簡単には変わらない。

結果、現存する小規模農家は苦労の割に少ない対価だから、後継者が育たない。
高齢化した兼業農家は、いつ廃業するか考えている。これ以上耕作放棄地が増える
前に、時代に即応し市場が求める農作物を供給できる産業に変えてゆかなければ
ならない。その前提は適地適産であり、気候風土に合った作物に特化する事だ。

我が国の食料自給率は40%だ。60%もの食料を輸入に依存している。
スーパーでも、生鮮野菜や鮮魚は国産が主体だが、加工食品や冷凍食品、牛肉や
果物などは圧倒的に輸入が多い。流通業の競争が激しく、毎週何回も広告チラシを
折り込むが、品質よりも価格が売り上げを決定するから、輸入品に依存する。

豊穣の秋、秋は収穫を得られる嬉しい季節でなければならない。苦労して育てた
農産物の値段が下がったのでは、嬉しさも半減だ。地域の農産物は多少高くても
地元で買おう。魚沼市内にも、直売所が増えた。農家は自分の実力にあった値を
付けるから、自分より良い品質のものを基準に価格を決めるという。

だから、直売所では目利きでないお客様は値段の高い物から買えば間違いない。
職人の世界で手間暇かけた製品は高価なものが多い。誰もが認める技と時間が費や
されている。そのような物が安いはずがない。万人が認める価値がそこにはある。
各業種毎にそうした職人技を長い経験と修行により伝承してきた。農業もだ。

腹に引く 朱のなめらかに太りたる ふるさとの鮎 食いつつかなし (柊二)


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