2011.06.11
今日6月11日は傘の日。 暦の上(雑節)では入梅となり、しばらくは雨の季節となる。
雨の日数は地域でもかなりの差があり、最も多いのが北陸地方だ。 トップは冨山県で
180日、新潟県は4位で172日という統計だから、2日に一度は雨という計算になる。
印象としてはそんなに多いと思わないから、野外での行事やゴルフの時など不運を嘆く
が意外に雨の日は多いのだ。 最も少ない埼玉・山梨は95日というから半分位になる。
そのくらい雨との付き合いが多いのに、失くしたり忘れてしまう物で一番多いのが傘だ。
透明のビニール傘が普及してから、居酒屋の入り口には主人のいない傘が身を寄せ
合ってところ狭しと立っている。 帰りに雨が上がっていると、つい忘れてきてしまう。
子供時代は傘も大切に扱ったが、最近は100円ショップでも売っているほど廉くなった。
雨傘が登場するミュージカル映画「雨に歌えば」。 ジーン・ケリーが土砂降りの雨の中
で傘を廻しながら歌う有名なシーンは、アメリカン・グラフィティーの最初にも登場する。
「シェルブールの雨傘」はミシェル・ルグランの美しいテーマ音楽がヒットしたが、
主演のカトリーヌ・ドヌーブに代わり、アフレコでダニエル・リカーリが歌った。
ダニエル・リカーリはその後「二人の天使」が流行り、その時にドヌーブのアフレコが
有名になった。 他にもヘンリー・マンシーニ作曲の「ムーン・リバー」がヒットした、
オードリー・ヘプバーン主演の「ティファニーで朝食を」の雨のラストシーン。
チャールズ・ブロンソンの「雨の訪問者」はフランシス・レイの音楽が印象的で、
「太陽がいっぱい」のルネ・クレマンが監督だから題名の対比がおもしろい。
雨のシーンで有名といえば、黒澤明は外せない。 「羅生門」の初めのシーンや
「七人の侍」ではずっと雨が降り続いていた。
雨が意外に似合うのが温泉場だと思う。 昔の温泉場では浴衣姿に似合う旅館の
名前の入った番傘が置いてあり、宴会後の温泉街で傘が入れ替わるから、雨上がり
には各旅館が傘を交換するのも一仕事だった。 今では洋傘に変わってしまったが、
のんびりとした時代、のんびりとした時間が流れていた。
♪ 雨降りお月さん雲のかげ お嫁にゆくときゃ誰とゆく 一人で唐傘差してゆく・・・
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