会長ブログblog

2010.11.27

小出公園

晩秋から冬へと季節が移り、見渡せば魚沼の景色もすっかり枯葉色に変わる。

魚沼の景色の中でも最も印象的なところは、小出公園の松金比羅だ。
初めて魚沼を訪れるお客様を必ず案内する。 浦佐駅から直接青島経由で向山に上がる。 
小出スキー場の駐車場から緑川山荘を左に見て、春なら戦没者慰霊碑の満開の桜並木を
眺めながら、急な坂をかけ上ると山岡荘八の文学碑、そのすぐ先には父の眠る当家の墓所。

駒見山を正面に仰ぎながら大きく右に廻り込むと、一気に視界が開け正面に越後三山が
雄姿を現わす。 オールシーズン・シャンツェのスタート地点になる松金比羅に到着だ。
眼下には湯之谷や広神方面に伸びる小出の街並みが見える。 南から北に流れる魚野川
に、東から佐梨川が、北からは破間川と羽根川と、一級河川が四本も合流する。

南に目を向ければ巻機山の緩やかな稜線から八海山・中ノ岳・越後駒ケ岳の越後三山。
その左には荒沢岳の姿、さらには権現堂山に守門岳、遠くに浅草岳を望む事が出来る。
手前に連なる里山、干溝の大力山、湯之谷薬師、下権現堂から伸びる稜線はいずれも
右に折れる。 小出・新発田構造線に沿って地殻変動で動いた跡だと習った。

魚野川は元々は溝造線に沿って北へ向かい、阿賀野川に合流して日本海へと流れ出て
いたそうだ。 その後、守門・浅草の火山噴火により行く手を阻まれた結果、一番低く
なった小出から西へ流れを変えて、越後川口で信濃川に合流するようになったという。 

ここから見るパノラマは素晴らしい。 足元のスキー場のゲレンデには季節ごとの草花が
咲き乱れる。 何物にも邪魔されず、遮る物もなく魚沼の中心部が一望できる。 
県内にもこれほどの眺望を持った場所を知らない。 山の中に金比羅が祀ってあるのは
舟運が栄えた証拠だし、度々暴れた川の脅威に晒されたからでもあろう。

自然の造形美を後に、公園を降りて町まで来ると人間が造った街並みの乱雑さに驚く。 
建物の形や高さや色使いからは、景観という発想は見て取れない。 さらには、道路に
沿って電線が張り巡らされ視界に入ってくる。 先進国は勿論だが、あまり豊かでは無い
国でも都市部では地中化は当たり前になっている。 私たちの時代の課題だろう。

冬の来し 越後の山は 野ざかひの 端山の奥に 白くつらなる  (柊二)


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