会長ブログblog

2010.10.02

煙草のけむり

毎月1日は映画サービスデイで、全国の映画館が割引き料金を設定している。

昨日の1日も映画の日だったが、アメリカン・ニュー・シネマの旗手アーサー・ペンの訃報が
新聞に載った。 「ボニー&クライド」はウォーレン・ベイティがプロデュースし、ヨーロッパの
ヌーベル・バーグの映画手法をハリウッドに持ち込んだ。 当初監督には、トリュフォーを
予定したが日程が合わず、ゴダールにも声をかけたが、結局アーサー・ペンになった。

ベイティの姉シャーリー・マクレーンがボニー役を希望していたが、アーサー・ペンが
フェイ・ダナウェイを抜擢したので、ベイティ自らがクライド役も演じた。 こうして創られた
「俺たちに明日は無い」は予想に反して大ヒットし、その流れはサム・ペキンパーやジョージ
・ロイ・ヒル、デニス・ホッパーらによってアメリカン・ニュー・シネマとして一世を風靡する。

あの当時の映画では、煙草が効果的に撮られていて無くてはならない演出だった。
映画のカットに出てくる喫煙シーンがあまりにかっこ良くて、煙草を始めた人も多かった。
バーボンをストレートであおるのもそうだし、ウオッカ・ベースのマティーニをステヤーでなく
シェークで飲るのも、ジェームス・ボンドが教えてくれた。

ジム・ジャームッシュの撮った「コーヒー&シガレッツ」も小出郷文化会館で何年か前に上映
した。 煙草やコーヒー、酒といった人生にアクセントを付ける趣好品といわれるものが最近
の健康志向で肩身を狭くしている。 昨日からは煙草が大幅に値上げされ、愛煙家の受難
は続く。 私は十数年も前にやめたが、煙草の匂いは今でも好きだ。

高校生の頃は外国の煙草は「洋モク」と言って、高価で貴重だった。 当時の人気は初めて
フィルターに活性炭を入れた「ラーク」だったが、セブン・スターが国産でも活性炭を入れた。 
パッケージ・デザインも「いこい」や「新生」の時代から、ようやく和田誠のデザインによる
「ハイ・ライト」が出た頃で、セブン・スターはたいそう斬新に映った。

10月9日は文化会館の「魚沼映画の専門店」で、なつかしの日本映画「小津安二郎特集」
を4本立て500円で上映する。 「東京物語」「秋刀魚の味」「麦秋」「彼岸花」だ。
秋の一日、原節子・有馬稲子・岩下志麻に会いに是非足を運んでみませんか。

♪ 煙草のけむりの中で かくれて見えない あなたはどんな顔で 私を見ているの・・・


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