会長ブログblog

2023.12.02

残したい景色

師走に入り夕暮れが早くなり、魚沼は時雨模様の日が多くなる。

ブナやナラなどの落葉樹は灰色の幹や枝だけが残り、独特の風情を
醸し出す。一面が白く覆われる前の今頃が一番寂しい。昨日も
積雪があったが、根雪はまだ先だろう。年齢とともに一年という
時間経過が早く感じられる。新たな感動が少ないことが一因だ。

昨日は東京で会議があったので、終了後銀座のココフォトサロン
で開催されている「魚沼を駆け抜けたヨンマル」という写真展に
行ってきた。3年前の7月に引退した只見線の「キハ40」を
愛する写真家たちが撮影した縁結び列車などが紹介されていた。

今日は「魚沼市八十八景」の講演会がまちづくり委員会の主催で
行われる。来年11月市制施行20周年を迎える記念事業の一つで、
現在募集が行われている。美しい風景のみならず、魚沼ならではの
人々の営みや伝統文化、文学碑や古民家など文化財も対象になる。

私たちの生活振りがこの半世紀くらいの間に随分と変わってきて
昔どこででも見られた景色で最近見かけなくなったものがたくさん
ある。例えば、屋根雪を掘るのに使われたコスキや雪樋いなどの
道具、軒下に吊るされた漬物用の大根が連なる風景など。

家々の庭や玄関先でゼンマイ揉みをするおばあちゃんの姿はどこの
家でも見られたものが、最近急激に少なくなった。刈り入れた稲を
ハサ掛け乾燥する光景さえ最近珍しくなった。長く伝承されてきた
雪国の生活文化が、今まさに消え去ろうとしている。

こうした雪国文化を私たちの時代で終わりにして良いのだろうか。
自然の中で生かされてきた人々の生活の知恵が失われつつある。
何とか残し伝えたいという思いで「八十八景」に取り組んでいる。
科学技術の発展の陰で消え去る価値を見直す機会となれば。

街路樹は 冬あらはなる枝張りて 空の寒さを 支へゐたるか
                         (柊二)


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