会長ブログblog

2022.04.30

アンカレッジ経由

春の大型連休が昨日から始まり、当社も久々の10連休になる。

ゴールデン・ウイークという言葉は、映画業界が作った造語だという。
テレビや他の娯楽が定着する前、映画は唯一の娯楽だった。日本では
1964年の東京オリンピックの年から高度経済成長の波にも乗り、
テレビが普及した反面、映画は衰退の道を辿ってゆく。

そもそも、民衆へのプロパガンダ手法として20世紀初頭から映画は
絶大な効果を発揮した。だからソ連や東欧諸国などでは国費を投じて
映画製作を支援した。我が国でも戦時中は内容に関して検閲が厳しく、
映画館で流れるニュースは戦意高揚を煽る軍事広報だった。

日本が経済的発展を遂げ、テレビが家庭に普及してからも、東アジアや
東欧諸国、そして経済発展途上国ではまだまだ映画が娯楽の中心だった。
政治的プロパガンダでも、庶民の娯楽であっても、映画ほど効果的な
視聴覚素材は無かった。20世紀最大の芸術革命と云われる所以だ。

ロシアのウクライナ侵攻により、平和のありがたさを再認識した人も多い。
東西冷戦時代に逆戻りしたかのような応酬が続くが、ロシア上空航路が
閉鎖されたという。米ソ冷戦時代にも西側諸国の航空機はソ連上空を飛べ
なかったから、南回りかアラスカ経由の北回りしかなかった。

南回りは距離も長く時間が掛ったから、アラスカ経由が人気だった。
今でも日本からアメリカへは行きは偏西風に助けられるから太平洋上を
飛ぶが、帰りは大きく北回りで時間を稼ぐ。あの時代、アンカレッジの
通過客数は世界一を誇ったものだった。

世界中の国際空港の免税売り場は確実に売り上げが確保できたから、
営業権は入札により決定した。当時、アンカレッジが世界一高額で、
二番が香港だった。ほとんどをデューティ・フリー・ショッパーズ
(DFS)という名前通りの会社が落札し経営していた。

ロシア上空を自由に飛べる日が一日も早く来るよう祈るばかりだ。


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