会長ブログblog

2025.03.01

かじっか酒

♪ 春は名のみの 風の寒さや 谷のうぐいす 歌は歌えど ・・・

今日から3月。雪国の人々が待ちに待った季節「春」の始まりだ。
この地に春を告げる伝統行事「浦佐裸押し合い祭」が開催される。
長きにわたり3月3日に行なわれてきたが、数年前から参加者の
都合により3月第一土曜に変わり、今年は今日がその日になる。

「さんげつみっか」は天気が荒れるという言い伝えがあったが、
開催日が変わり今年は好天での開催だ。魚野川の「かじっか」
という小魚の塩焼きを、熱燗に入れて冷えた体を温める。
鮎酒や岩魚酒も有名だが、かじっか酒は味も香りも絶品だ。

春を迎えるとはいってもまだまだ寒い日は続く。今月いっぱいは
雪も降るし寒い朝もある。それでも季節は間違いなく進み、雪の
下ではフキノトウが芽を出している。雪が融ければ順番を待って
様ざまな草花が芽吹き、花を咲かせる。

花が咲けば昆虫類も目を覚まし活動を始め、鳥たちも南の地から
戻って来る。自然界の営みは昔と変わらず季節と共にある。
翻って人間界はどうだろう。私の子供時代、暖房は炭炬燵に火鉢
が主体で炬燵が電気に変わり、火鉢が石油ストーブに変わった。

そして今では、より快適な冷暖房設備に変わった。着るものも
冬になればウール生地を3枚も4枚も重ね着して凌いだ。
今では、ポリエステルやフリースなど薄くて軽い素材に変わった。
人間だけが自然に抗して、生活スタイルを変えていった。

その結果、自然界の生き物たちは自然の法則に従い季節に合わせ
生きているが、人間は自然対応能力を失い寒さにも暑さにも弱い
生き物となってしまった。花粉症や感染症もそうだが自然と共に
生活していた時代にはこうした流行もなかった。

生活が便利になり快適になるほど対応力を失うのは生物の定めだ。


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