2011.03.19
三月も中旬を過ぎ彼岸に入り、季節を分ける春分を迎える。
いつもの年なら雪国の住民が一番待ちこがれる季節の到来で、気持ちが軽くなる時だ。
今年はなんとも重苦しい空気の中で、なかなか進まない春を待っている。
昨日までの降雪は真冬の降り方で、なごり雪とは呼べない乾燥した雪が暖房の効かない
避難所の被災者に更なる試練を課していた。
この災害は、わが国有史最大規模のマグニチュード9、0の地震災害に留まらず
直後に襲ってきた、リアス式海岸の入り江で膨脹した津波の圧倒的な破壊力。
まるで映画のワンシーンのような凄まじい中継画面を、直ぐには理解できない事実として
食い入るようにテレビを見た。
余震の続く中、それでも私たちが知っている今までの災害なら、どんなに大きな災害で
あっても、日に日に被災状況があからさまになると共に、一方では被災者救援の様子と
少しずつではあるが復旧の足音も聞こえてくる事で、希望を捨てずにいられた。
今回は、被災翌日から福島第一原子力発電所に問題が発生し話題は集中した。
原子力発電所の事故は他の災害とは全く様子が違う。 相手は目に見えない放射線で
生物への破壊力は強大な上、影響の範囲や時間が桁外れに長い。
その危険な環境の中、自衛隊員や消防、そして東京電力の関係者の中には被災者も
多く含まれているのに、正に命を賭した挑戦をしてくれている。
日本を始め多くの海洋国は地震国でもある。 そのため様ざまな対策も立てて来た。
原発に対しても二重三重の安全対策も立てて来た。 今回対策があまかったのは
唯一「津波」に対してであった。 予想を超える市街地破壊の凄まじさ、そして原発の
二重三重の安全対策も津波により打ち砕かれた。
「TUNAMI」は日本発の国際語だ。 それだけ日本人は津波被害の経験もあった。
それでも、この結果を招いた原因は想像力の不足だ。 あらゆる未知の可能性に対する
想像力が備わっていれば、今の事態も予測できたはずで残念だ。
一つの物語の終わりは次の希望への始まりだと信じて、心を一つにしたい。
この戦いは長くなる、覚悟を決め続けてゆける活動で思いをつなぐ事が大切だ。
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