2020.03.21
春分の日からの三連休に入り、例年より早い花だよりが届く今年の春彼岸だ。
上野公園では早くも三分咲きの様子が中継されたが、宴会が禁止となり疎らに
花見客が往来している姿だけが写し出される。中国発の新型コロナウイルスが、
この1カ月でヨーロッパや中東、南北アメリカにオーストラリアなど世界中に
感染域を拡げ、人々の活動に深刻な影響を及ぼしている。
イタリアやスペイン、そしてパリの様子がテレビ報道されているが、俄に信じ
がたい街の様子だ。外出が規制され、警察官以外誰もいないシャンゼリゼ通りは、
映画のワンシーンのようだ。何時迄この状況が続き、何時収束するのか、先の
見えない戦いは、まだ始まったばかりかも知れない。
そうした中、オリンピックの聖火がギリシャから運ばれ、発達した低気圧の影響で
強風の吹き荒れる中、宮城県松島市で記念式典が行われた。森組織委員長や山下
JOC会長、聖火を運ぶ予定だった柔道の野村忠宏選手と女子レスリングの吉田沙保里
さんたちが、これから全国をリレーする聖火の到着を祝った。
一方では、オリンピック出場選考に係わる国際大会が中止になるなど、準備の
遅れや、アスリートを中心に考えるなら、オリンピックの延期を望む声も出ている。
4カ月後に迫った大会スケジュールからして、判断する猶予期間は長くない。
現状から見れば、延期やむなしも妥当といえる。
世界各国の生産活動が止まったり、原油の需給バランス悪化と生産調整の失敗に
よる原油暴落により、世界中の株価が急落し、経済的損失は莫大だ。人類の英知を
結集し、一日も早く治療薬や予防薬を開発しなければならない。こうした事態を、
政局がらみで論じているマスコミや、評論家と呼ばれる人たちは、無責任極まる。
大相撲春場所もコロナリスクを抱えながらも、無事千秋楽まで漕ぎつけそうだ。
屋内競技でも15日間を無事終えたことは、他の競技の手本となる。残すところ
2日間で、上位力士は星の潰し合いとなるから、結局は両横綱の争いか。
朝の山は残り2番で大関昇進への道が拓けるか、真価が問われる対戦となる。
春雨の 音を枕に聞く夜半は 夢の直道も のどけかりけり (一葉)
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