会長ブログblog

2019.12.14

大学入試改革

12月半ばだが根雪にはならず、天気予報ではまだ気温高めの日が続くようだ。

今日は赤穂浪士による吉良邸討ち入りの日だ。いわゆる仇討ち物の代表で、何度も
映画化されたりテレビドラマになったりしたが、以前ほどは話題に上らない。
私たちが知っている物語は、人形浄瑠璃「仮名手本忠臣蔵」から始まっているが、
事件の真実は不明の上、復讐劇を美談とすることが問題という考え方も出てきた。

仇討ちには付き物の助太刀に駆け付けた、新発田藩士堀部安兵衛の活躍も霞んで
しまいかねない。情報氾濫時代だから、様ざまな評価が出、以前なら痛快な
時代劇で済んだ話が再評価されたり、批判されたりする時代となった。
そうした世論形成がマスコミ主導で行われている事の危険性に疎い国民性だ。

このほど大学入試改革の一環として考えられた、英語の外部検定採用を先送りに
するという文部科学省の方針が示された。居住地域による機会均等が確保できない
という批判に応じた形だ。しかしながら、そんな事は初めから分かっていた事だし、
なにも英検に限らず、地方と大都市では塾や予備校にしても元々差はあった。

我が国の英語教育の問題は今に始まった事ではなく、中学・高校通じて6年間も
教育を受けていながら、聞く事も、話すことも、書くことも、読む事さえ出来て
いないのが現状だ。大学入試を言う前に、英語教育の在り方そのものの改革が
必要なのは論を待たない。

これだけ国際化が進み、日常生活でも外国人の姿がどこにでも見られる時代なのに
共通のコミュニケーションツールである英会話が出来ない事を見過ごしてきた
のは、教育の失敗と云われても仕方ない。漸く、大学入試という形であっても
改革の気運が高まり、実用英語教育に舵を切ると期待していたのに、残念だ。

入試センターの共通試験は総合的な学力を計ることはできるが、個性や創造性
といった能力を見るにはやや不足だ。日本の子どもたちの学力が諸外国に比べ
順位を下げているといった批判もあまり意味がない。これからの人に求められる
のは、独創性であり応用力だろう。そうした人間教育が待ち望まれる。

恒例の今年の漢字一文字に「令」が選ばれた。令和元年としては当然の選択だ。


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