会長ブログblog

2019.10.19

お楽しみはこれからだ

台風19号は80人を超える犠牲者を出し、各地に大きな被害を齎した。

今回の台風は豪雨による河川氾濫と堤防決壊が、東海、関東甲信越、東北
など広範に及ぶ都県に甚大な被害を出した。土砂崩れにより壊滅した人家や
1階部分が水没し、逃げ遅れた犠牲者も多くいた。破堤や越流により茶褐色の
濁流が住宅地や農地に溢れる状況を見て成す術もない。

自衛隊や警察のヘリコプターが、逃げ遅れた被災者を救助する様子がテレビに
流れるが、一刻も早い救出が待たれる。観測史上例が無いとか、数十年に一度
とか、毎回同じ台詞は聞き飽きた。毎年起こるこうした災害に対し、漸く
「国土強靭化」計画が始まったところだが、実態に追いつかない。

国民の生命財産を守るのは、国家の為すべき最低限の役割のはずだ。
亡くなられた皆さんのご冥福をお祈りし、行方不明者の一刻も早い救出と
被災者の生活再建と早期復興を祈るばかりだ。国土防災計画の抜本的な見直し
は急務だ。被災地域の地元建設業が夜を徹して復旧に当たっていた。

先週末、デザイナーでイラストレイター、作家で映画監督もこなした異才、
和田誠さんの訃報が届いた。83歳だったという。昭和35年に日本専売公社
から発売された「ハイライト」のパッケージデザインで華々しくデビューした。
当時の紙巻きタバコは「いこい」「新生」が主流でフィルターなしだった。

フィルター付きだから、長くて軽いという意味から「ハイライト」と名付けた。
私がタバコを喫っていた時代は専らハイライトだった。星新一、丸谷才一など
挿絵や装丁も多く手掛けたが、映画にも造詣が深く、「お楽しみはこれからだ」
は様々な映画の有名なセリフやシーンを紹介しパート6迄続いた。

無類の映画好きが昂じ、自らも「麻雀放浪記」や「怪盗ルビイ」の監督を
務めた他、数々の映画製作にも携わった。ジャズにも詳しく、村上春樹との
共著「ポートレイト・イン・ジャズ」では多くの名アルバムを紹介していた。
ユーモアに長け「倫敦巴里」は作家の特徴をうまく捉えた名著だった。

町いまだ ふかく眠りて軒々に 秋のあしたの 川音ひびく (柊二)


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