2016.06.11
今週は業界団体の総会が富山市で開かれ北陸新幹線で行ってきた。
例年6月初旬に金沢か富山で開催され、麦の収穫時季と重なるため
黄金色に輝く「麦秋」が見られるのだが、今年は暖冬小雪の影響か
既に麦は刈り取られ二毛作目の水田に姿を変え田植えも進んでいた。
遠望される立山連山も例年と違い山肌の目立つ姿で迎えてくれた。
北陸新幹線開業前は金沢や富山へは北越北線の「特急はくたか」か、
長岡から信越線経由の「特急北越」で、比較的便利に行く事が出来た。
去年の北陸新幹線開業後は何れの特急も廃止となった上、最寄り駅が
上越妙高駅という新設駅になったことから極めて不便になった。
新幹線開業で並行在来線はJRから地元の第三セクターへ運営が移譲
され、厳しい経営環境の中で地域に根差したローカル線を維持している。
しかしながら信越線の内、直江津から先だけが切り離された上、上越妙高
はターミナル駅ではないので、長岡方面から直接繋がる列車も少ない。
こうした例を取ってみても、新幹線はどこまでも東京と地方都市との時間
短縮が目的で造られているのかが分かる。 上越妙高から富山まで40分
ほど、金沢でも70分で着いてしまう。 このスピードは矢張り大きな魅力だ。
かつて親不知・子不知と呼ばれた天下の難所もトンネル一つで通過する。
列車の旅の魅力は車窓からの景色にもある。 にも拘らず上越新幹線も
北陸新幹線もサン・シェードを下している常連客が多い。 豪雪地の山岳
地帯を走る新幹線はトンネルと防音壁とで景色を犠牲にしているからだ。
時間と交換に鉄道旅行の風情が失われてゆく。
先般のG8では富山市で環境相会議が開催された。 富山地方鉄道は
富山県の誇るローカル交通システムを担ってきた。 路面電車を利用し、
近郊に延びるLRTは環境対応型新交通システムとして注目されて来た。
コンパクト・シティのお手本のようなまちづくりが高く評価される。
汽車の旅 とある野中の停車場の 夏草の香の なつかしかりき (啄木)
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