会長ブログblog

2019.06.01

朝の山と豊山

♪ 夏が来れば思い出す はるかな尾瀬遠い空 霧の中に浮かび来る ・・・

今日6月1日は魚沼から入る尾瀬ルートの再開通日だ。奥只見ダムサイトから
遊覧船で尾瀬口(鷹ノ巣)へ、そこから会津バスに乗り換えて沼山峠まで。
沼山峠からは1時間で尾瀬沼の長蔵小屋に到る。私の高校時代には船もバスも
無かったから、銀山平から先は砂利道を延々歩く、文字通り遥かな尾瀬だった。

尾瀬の山開きも、尾瀬山小屋組合の主催で行ってきたが、数年前からは地元
自治体主催に変わり、群馬県片品村、福島県桧枝岐村そして新潟県魚沼市が
毎年交代で行っている。今年は魚沼市の当番で6月4日に行われる。
魚沼ルートは開通が6月1日だから、他の2県主催年より半月ほど遅れる。

山開きは信仰の対象としての山の神に対する神事として行われてきたものだ。
現在では神事というより、夏山シーズンの幕開けを告げる祭典として行われる。
かつて、登山口の地元では、自治会や住民が大勢出て、山への愛着や信仰の
名残りを残した行事や郷土料理で、記念登山客をもてなしたものだった。

大相撲夏場所は、栃ノ心が横綱鶴竜を立ち合いの注文相撲で破り、14日目に
して平幕の朝の山の優勝が決まった。栃ノ心は10番勝って大関に返り咲いた。
前日の朝の山との一番は、相撲の流れからも栃ノ心の勝ちに見えたが、物言い
後の長い協議でかかとが先に着いたとして行事差し違いとなった。

賜杯を手にした朝の山は近畿大出身で、学生時代から東京農大の豊山と同期で
良きライバル関係にあった。十両入りも幕内も豊山が一歩リードしていたが、
ケガで番付けを下げて以降逆転した。今場所も十両で千秋楽に漸く勝ち越した
豊山に対し、幕内優勝を果たした朝の山は一躍話題の人となった。

豊山が千秋楽に勝ち超し、土俵下でも支度部屋でも涙が止まらなかったのは、
朝の山との因縁も関係したのだろう。新潟出身の豊山は三代目となるが、
何れも東京農大出身だ。角界では学生相撲出身力士に特別な対抗心を燃やす。
貴景勝や朝の山などがこれからの角界を背負う立場だ。豊山の奮起を期待する。

あしひきの山路越えむをする君を 心に持ちて安けくもなし(狭野弟上娘子)

                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                     


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