会長ブログblog

2019.03.02

緑川春祭り

緑川酒造の「霞しぼり」が解禁となった今夕、恒例の春まつりが開催される。

例年3月の第一土曜に小出郷文化会館で行われる会は、会場を埋める多くの
新酒ファンで盛況だ。名前通り少し霞み掛かったフルーティーな飲みやすい酒だ。
酒樽に雪で冷やされた四号瓶が詰め込まれ飲み放題だから、つい注いで注がれる
ペースも早くなり、気が着くと既に大分出来上がってしまっている。

緑川酒造は小出唯一の酒蔵で、かつて本町から浦町にかけての水路沿いに立地
していたが、魚野川の河川改修に伴う区画整理事業で現在の青島に移転した。
本町にあったころは、入り口玄関脇に緑川ギャラリーという展示スペースがあり
地元や近郷作家の絵画や、写真などを紹介していた。

今の時代にあっても、緑川酒造の販売ルートは、地元と全国の特約店だけで、
量販店やデパートにも置いてない上に、ネット通販も行っていないことで希少価値
を生み、高い人気を維持している。五代目になる現在の大平俊治氏が県酒造組合の
青年部時代に始めた「新潟酒の陣」の実績もあり、新潟県酒造組合長を務めている。

明日は3月3日。全国的には桃の節句「雛祭り」の日だが、魚沼では晋光寺境内
毘沙門堂で行われる「浦佐裸押し合い祭」の日だ。約1200年の歴史を持つと
いわれ、鈴木牧之の「北越雪譜」でも紹介されている。古くは正月3日に行われて
いたが、明治の改暦に伴い現在の3月3日に変わった。

長年に亘り地元では、3月3日(サンゲツミッカ)という愛称で親しまれてきたが、
残念ながら来年からは諸事情により3月第1土曜日に変わるという。
裸押し合い祭りの名物は「かじっか酒」だ。魚野川で捕れたかじっかを炭火で
香ばしく焼きあげ、コップに入れ、熱燗を注ぎ色が変わってきたら頂く。

フグひれ酒やイワナ酒、アユ酒など数多あるが、私はかじっか酒が好みだ。
コップに収まる酒と魚の大きさが丁度良く、出汁の出具合もバランスが良い。
酒飲みは意地汚いから、魚が小さいと出汁が出ないと文句を言い、魚が大きいと
酒の量が少なくなると文句を言う。何れにせよ日本酒を楽しむ2日間となる。

例年春が待ち遠しい時期だが、今年は何時になく季節が早く進んでゆく。


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