会長ブログblog

2019.02.23

白銀は招くよ

♪ 雪の山は友だち 招くよ若い夢を ホーヤッホー ホーヤッホー 歌声も招く ・・・

先週末、まちづくり委員会主催の市民会議は、八海山麓スキー場の指定管理者である
(株)アクティーの井口優さんと、まちづくり委員会のアドバイザーをお願いしている
広島経済大学の川村健一教授、私が司会役での座談会だった。八海山麓スキー場も
魚沼市内のスキー場同様、旧大和町が造った公設公営の施設だった。

南魚沼市に合併後指定管理に出され、地元有志が設立した会社が運営している。
スキー場の他、サイクリングターミナルという宿泊もできる施設も管理している。
冬はスキー場、春からはサイクリング施設を運営しているが経営環境は厳しい。
スキー場も50年が経過し設備の更新を迫られるなど課題も多い。

旧大和町には、バッジテストで有名な浦佐スキー場と民間が開発した浦佐国際スキー場
があり、何れもJR駅に近い西山斜面に展開されていた。八海山麓スキー場はJRからも、
幹線道路からも離れた位置の東側斜面に造られた。浦佐も国際も破綻し残ったのは
一番立地の悪い八海山麓だった。地域住民の熱意と学校の協力で維持してきた。

スキー場開発は昭和30年代からの高度経済成長に乗り、観光振興による地域活性化を
目的に造られた。第一次スキーブームは1956年のイタリア、コルチナ・ダンベッツォ
冬季オリンピックでトニー・ザイラーが初の三冠に輝き、映画にも主演するなどスターと
なった頃から1972年の札幌冬季オリンピックの頃まで続いた。

第二次ブームは1987年の映画「私をスキーに連れてって」の頃からバブル経済崩壊
までだった。その後ブームは去り減少の一途だったが近年やや回復基調にある。
本来の目的の経済効果が得られず、公営の施設は赤字続きで、撤退も止む無しの現状だ。
公的資金をつぎ込んでまで維持するには、観光振興とは別のストーリーが必要だ。

かつて、雪は百害あって一利なしという時代もあった。その後克雪、利雪、遊雪という
風に変わる中で、水力発電や雪室、そしてスキー場が果たした役割は大きかった。
今後はスキー場を雪国文化と位置付けたり、教育の場として価値を見出すことになる。
文化や教育は経済とは違う価値観であり、雪国に暮らす人々の郷土愛や誇りでもある。

「人と自然が輝く雪のくに」魚沼市からスキー場が姿を消すことなどあってはならない。


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