2015.06.13
今週は金沢でコンクリート関連団体の会議があり、北陸新幹線で行ってきた。
天候に恵まれ、青い空と白い雲そして穏やかな日本海がきらきらと輝く。
平日にも拘らず金沢駅は多くの観光客で賑わっていた。 地元の方に訊くと、
新幹線人気で例年を大幅に上回るお客様が訪れているという。
今から33年前の上越新幹線開業時もそうだっただろうか?
当時東海道新幹線が西へと延び、山陽新幹線が九州博多まで繋がった事が
話題になった頃だ。 更に上越新幹線は大宮までの開業だったので都心へは
乗り換えが必要でもあった。 その後上野まで伸び、現在の東京駅乗り入れは
開業から9年後の平成3年のことだった。
東海道・山陽新幹線は東京から名古屋、京都、大阪、神戸、岡山、広島そして
博多と大都市を繋ぐ文字通りの幹線だが、上越は東京と日本海側の地方都市を
結ぶいわばローカル路線ともいえる。 だから当時は田中角栄が圧倒的な
政治力で造った新幹線だと他県人から揶揄されたし、その通りでもあった。
北陸新幹線の車両は7系の最新モデルで、普通車両でも座席間が広く快適だし、
シートにコンセントも付いている。 車両の揺れを抑える技術の向上で走りも
スムーズだ。 内装仕上げやお手洗いのグレードも高く、どうしても上越新幹線と
比べてしまう。 東北新幹線同様、グリーン車の最上級グラン・クラスも繋がれる。
あらゆる交通機関の中で列車は圧倒的な大量輸送が強みだ。 一車両100人
10両で1000人。 東海道のように16両では1600人を、上越新幹線の2階建て
MAXトキの16両編成なら一度に2000人以上を運ぶことが出来る。
反面、乗客数の少ないローカル線は経営が成り立たないから維持が難しい。
だから私たちは新幹線にばかり目を向けないで、在来線の活用に気を配りたい。
今や古民家や古い街並みが代えがたい価値を生むことは経験則で知っている。
ローカル線を維持することは、そうした営みに似て後世に宝を残す事になる。
新幹線のスピードは、しばしばそんな当たり前の事を忘れさせてしまう。
♪ 今は山中今は浜 今は鉄橋渡るぞと 思う間もなくトンネルの闇を通って ・・・
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