会長ブログblog

2018.07.28

佐渡金山

今週も暑い日が続き、テレビのトップニュースが気温に関する危険情報だった。

週初めの月曜には埼玉県熊谷で41、1℃を記録し5年ぶりに国内最高気温を
更新した。今週は「毎日暑いですね」とか「いつまでこの暑さは続くので
しょうか」という挨拶から会話が始まった。例年、この時季気温が上がれば
積乱雲が発達し、夕方には夕立が来るのだが今年は来ない。

先週末、佐渡金山の世界文化遺産登録へ向けた文化庁の審議会が開かれた。
4回目のチャレンジとなった今回も国内推薦は見送られた。佐渡市長の
残念な記者会見がテレビから伝わってきた。花角知事の文科大臣や官房長官、
そして佐渡出身の宮田文化庁長官へのトップセールスも実らなかった。

ユネスコの世界遺産は1972年に創設され、現在自然遺産206件、
文化遺産832件、複合遺産35件、合計1073件にも上るという。
日本でも文化遺産18件と、自然遺産4件が登録されている。
登録要件は、人類が共有すべき「顕著な普遍的価値」を持つ物件という。

佐渡の金鉱山遺跡がそうした要件を満たすかどうかは専門家の判断と、
他の競合先との比較もあると思われる。私も、佐渡の金鉱山施設跡には
何度か訪れた事もあるが、勉強不足で普遍的価値を見出す事は出来なかった。
江戸時代の鉱山跡を復元しているが、観光施設の一つという感じだった。

佐渡金山が歴史的にも貴重な価値があるのなら、違った見せ方もあると思う。
世界遺産になろうがなるまいが、歴史的あるいは学術的にも後世に伝え残す
遺産であるなら、当然国も県もこの施設を保護し維持してゆくだろう。
世界遺産に登録されなければならない理由が私には理解できない。

佐渡市の観光客数は減少傾向が止まらず、島全体に停滞感が感じられる。
旅館やホテルのサービスが時代の変化について行けなかった事と、能舞台に
代表される佐渡独自の文化財の魅力を伝えきれていない事も課題だ。
金山跡より能をはじめとする島文化の継承に努力すべきと思うが、如何か。

♪ 海は荒海 向こうは佐渡よ すずめなけなけ もう日は暮れた ・・・


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