首都圏では二週続けての記録的な大雪となり、交通不能による大きな影響が出た。
思いがけない積雪により新幹線や高速道路、そして幹線国道も通行止めとなった。
新潟県内からも各地へ除雪応援に出動するニュースが流れたし、高速道路の
小出基地からも関東や長野へ除雪応援に行った。
そういえば、何年か前にも東名高速の御殿場まで除雪に行ったこともあった。
雪に強い新幹線として有名な上越新幹線も、強いのは新潟県内の豪雪地域で
あって、高崎や大宮辺りでは普通に弱かった。 道路が渋滞し身動き取れなく
なれば除雪車も作業出来ないから、解消には時間がかかってしまう。
雪がこれほどまで厄介なものとは想像さえしなかっただろう。
亡くなられた方や怪我をした人、家屋の倒壊や農作物の被害も甚大だ。
流通が発達し、何時でも何処でも何でも手に入る便利な生活に慣れた今、
その便利さを担保するシステムのどれか一つが欠けただけで、ドミノ倒しの
ようにすべてのシステムが機能しなくなる。
24時間営業のコンビニや、夜中まで開いてるスーパーがあるのに、冷蔵庫が
大型になると内容量に合った貯蔵をするから、つい無駄を出してしまう。
そして、例えば停電が起これば掃除や洗濯をはじめ、調理や暖房さえ出来なく
なるのが今の私たちの生活だ。
電気に依存する生活の一方で、エネルギー源については環境負荷が無く、
空気も汚さず、廃棄物や放射性物質による汚染リスクも無い、非現実的な
理想論がまかり通ってしまう、思考停止状態にある現状だ。
自然災害は私たちの生きる姿に多くの教訓を与えてくれる。
福島第一原子力発電所の不幸な事故から学ぶべきことは、脱原発ではなく
安全の再構築でなければならない、と私は思う。
もう一週間で3月になる。 春はそこまで来ている。 首都圏の混乱ももう収まる
だろう。 しかし、春の訪れと共にこの教訓を水に流してしまっては進歩が無い。
おとなしく炬燵にはひり日暮れなり ふりつつやみし雪のあとの冷 (白秋)