2013.04.20
今年も4月下旬になる今日でも、会社の周りの田んぼにはまだら模様の雪が残る。
それでも来週のゴールデン・ウイークが始まる頃には雪も融け、サクラが開花するだろう。
世の中に花は数あれど、サクラほど人の心を惹きつけるものはない。
先ず開花時期が良い。 寒い冬が終わりようやく春が来たことを告げる象徴だ。
花の寿命が短いことも、この花の価値を高めている。
枝の一本一本にまで表現される満開の豪華さは、他を寄せつけない美しさだ。
そして、最も大きな魅力は散り際のいさぎよさにある。
武士道にも通ずる潔さから、軍服のボタンや階級章にも使われている。
まさに我が国を象徴する花といえる。
春の訪れとともに1年の周期を知らせて咲くことで、年刻みで生きている私たちに
1年の時間の流れと重ねる年齢を知らせに来る。
今年もサクラを見ることができた喜びと、あと何回見ることが出来るだろうか?
という与えられる時間の貴重さをも合わせ感慨深い。
一本桜の佇まいも良いが、広場の周りを囲むように植えられていたり、
川べりの土堤にそって桜並木が続いている景色が良い。
花見の歴史は古く、平安貴族たちも楽しんだし、江戸の古典落語にもしばしば
登場する。 日本で花見といえば、昔からサクラの名所と決まっている。
「花より団子」というが、実際には花見席で甘味を食べている人はほとんど
見かけない。 花見といえば酒がつきもので、夏の川原のバーベキュー
と並び野外パーティーの定番となっている。
酌み交わす酒器の中に花弁が一枚浮かんでいる。
梶井基次郎は「サクラの樹の下には屍体が埋まっている」と書いた。
あまりに見事な咲きっぷりにそう思った、と回顧している文章だ。
サクラには人を狂喜させる力がある。 花見の様子や梶井の想像力からも
サクラの持つ独特の媚薬的な力を感ぜずにいられない。
♪ さくらさくら今咲き誇る 刹那に散りゆく運命と知って さらば友よ旅立ちの・・・
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