会長ブログblog

2017.10.07

うおぬま里山祭

今日は県立響きの森公園、雪のコロシアムでうおぬま里山祭が開催される。

魚沼市は面積の85%以上が森林だから、農地や宅地、市街地は少ない。
平坦地の森林はほとんど無いので、ほゞ全部が山林という事になる。
その内の人里に近く、見渡せる部分を指して一般的に里山と呼ぶから、
その面積もそんなに広くはない。

しかしながら、里山からの恩恵は大きく春の雪融け後に出る山菜や、秋の
キノコ類や木の実、当然ながら木材としての資源は建築材や燃料にもなる。
昆虫や鳥類、ネズミやウサギから獣に至る動物や、地中に生息する小動物に
ヘビやカエルなどの爬虫類や両生類にとっても貴重な生きる場となる。

そもそも日本は森林国家で国土の3分の2を森林が占め、先進国では
北欧のフィンランドやスウェーデンに次ぐ面積比率を持つ。
森林面積が大きい国はほとんどが熱帯や亜熱帯の国々で、日本のような
緯度でこれだけの森林を有するのは気候と地形が造る風土のお陰だ。

日本を訪れる外国人からも絶賛される植生の豊かさと美しさも里山が
造っている。特に東日本の豪雪地帯に分布する落葉広葉樹林帯の見事な
紅葉はこれからの季節見頃を迎える。そしてその後に来る白い雪の世界は
静かで穏やかな表情を創り、雪融けと共に若葉を芽吹かせる活力を蓄える。

木材の価値が高かった時代、地方の資産家といえば山林を多く所有した
旧家が多かった。戦後人工造林で植えられた杉が樹齢50年以上を経て
伐採期に至るも経済的理由から放置されたままになっている。
今やるべき事は間伐や枝払いではなく皆伐し広葉樹林を再生することだ。

広葉樹には水源涵養機能や空気清浄作用など重要な役割がある。
根の浅い杉などの針葉樹が豪雨で倒れ、土砂に押し流され被害を拡大させて
いる姿を何度も見てきた。森林を育てるには100年の時間が必要だ。
今の私たちに求められているのは里山を本来の姿に戻す行動だ。

ふるさとの山に向かいていうことなし ふるさとの山はありがたきかな (啄木)


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