♪ 去年のあなたの思い出が テープレコーダーからこぼれています ・・・
さだまさしがグレープ時代に歌った「精霊流し」はお盆が来ると思い出す。
今年は多くの人々にとって、思っても見なかった災害による犠牲者を送る初盆を迎える。
いつもより多くの灯明と線香の慰霊の煙が空へ向かって立ち上るのだろう。
今日は月遅れのお盆の入り、例年通り夕方には家族そろってお墓参りに行く。
お墓参りが終わる頃、ついこの間まで明るかった夕方の時間がとっぷりと暮れる。
厳しかった残暑も朝晩は涼しくなり、秋が近いことを知らせてくれる。
蜩の鳴き声も何処と無く哀愁が感じられ、行く夏を惜しんでいるようだ。
何もしないうちに一年の三分の二が過ぎようとしているようにも感じられるが、
歴史に残る災害や事故も起こり、いろいろな出来事に振り回された時間でもあった。
政治・経済状況も変化が激しく、世の中の動きが異常になっている。
いつもの夏とは明らかに違う時間が流れている。
お盆は月遅れで行う地域が全国的にも多い。 年中行事の中でも、お盆と正月は最大の
イベントだ。 正月は年の区切りで暦の始まりだから当たり前だが、お盆行事は他の年中
行事とは比べるべくも無い一大行事だ。 様ざまな行事が簡素化されたり、日が変わった
りする中でも、お盆だけは変わらずに8月15日を守っている。
むしろ歴史あるお祭りも、お盆に合わせて行う集落が多くなった。
お盆は先祖を祀る日で、生を受け今在ることに感謝する日だ。
そういう意味では血のつながりを意識する日でもある。
年に一日はそうした事に意識を持つことは必要な事だと思う。
お盆が月遅れで行われるもう一つの理由は、太平洋戦争の終戦記念日だからだろう。
小出では向山公園にある戦没者慰霊碑にお参りするのがお盆の決まりだ。
年々お参りする人が少なくなってきたのが気になるが、平和への決意を確かめる
貴重な時間でもある。
こうした事に思いをするのも、今年の夏はいつもとは違う時間が流れているせいだろう。