会長ブログblog

2011.05.07

夏は来ぬ

♪ 卯の花のにおう垣根に ホトトギス早も来鳴きて 忍音もらす夏は来ぬ ・・・

昨日は立夏。 雪国の春はあわただしく初夏と呼ぶに相応しい日和へと変わる。
卯の花はこの辺りの里山で咲く初夏の花では、最もポピュラーな花の一つだ。
小千谷出身の現代詩人、西脇順三郎の書いた小千谷高校の校歌にも「卯木の花」が
歌い込まれている。

五月に入り花ごよみも四月の桜とチューリップから藤とカーネーションに変わった。 
旧暦では新暦と比べ一ヶ月くらいの季節の差があったので花ごよみの花も違っていた。 
ちなみに江戸時代の花ごよみでは、五月の花は菖蒲で四月は藤、三月は桜で二月が梅。
そう、花札の絵柄は旧暦の花ごよみの花がデザインされていたから今でも憶えている。

長かったゴールデン・ウイークも終盤を迎え、来週からは日常へと戻る。
今年の連休は出足が遅く、連休前には大湯温泉も半分~7割くらいの予約状況で困って
いたが、連休が始まると一気に客足が戻り平年並みの入り込みになった。
震災以降、相変わらず観光バスは見かけないが、個人のお客様から動き始めた。

毎日のトップニュースは引き続き福島第一原子力発電所関連だが、一方では行過ぎた
自粛は被災地支援にも良い影響は無いと言う事で少しずつ戻ってきた。
被災地の県知事からも過度の自粛は望まないというメッセージが出されたし、新潟県知事
からも県民に対しての呼びかけがあった。

この間の人々の動きを見ていると、改めてテレビの影響力の大きさを感ずる。
テレビの画面を見て自粛し、同じテレビからの呼びかけで自粛を解除する国民。
多くの日本人の行動体系の基本にあるのは、自己主張ではなく協調意識である事が解る。
こうした意識を持つ国民だからこそ、指導者に求められる資質は極めて高くなる。

5月は各種団体や会社の総会時期だ。 昨年度の結果を報告し今年度の計画を承認する。
今年の総会は例年通りという訳にはいかない。 東日本大震災からの復興という目標に
向かって国をあげての取り組みとなる特別の年だ。 季節の歩みを伝える花々を、被災者と
しての立場でなく見れる日が一日も早く来るのを願わずにいられない。

しっとりと なみだを吸へる 砂の玉 なみだは重き ものにしあるかな   啄木


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