会長ブログblog

2016.11.19

ハスキー・ボイス

♪ 私は泣いていますベッドの上で あなたに会えて幸せだった 昼も夜も返らない・・・

シンガー・ソングライターで女優としても活躍したリリィの訃報が先週金曜日に届いた。 
最近は専らスクリーンで見ることが多く、しぶい役どころで名脇役を演じていた。
「私は泣いています」や「心が痛い」など女性側からの失恋ソングを健気に歌った。
当時、失恋相手とされる名前も噂に上がっていたが、遠い記憶になってしまった。

13日には「ア・ソング・フォー・ユー」で知られるレオン・ラッセルの訃報も届いた。
好きなラブ・ソングを挙げれば必ず上位に入る曲だ。 カーペンターズがカバーして
ヒットした「スーパースター」やジョージ・ベンソンがカバーし自身の出世作にもなった
「マスカレード」の作詞・作曲も彼の手による。

歌手の訃報に接するとその代表的なヒット曲がその時代と共に思い出される。
レオン・ラッセルのファースト・リーダーアルバムは1970年のリリースで、
「ア・ソング・フォー・ユー」が収められていた。 日本では70年安保闘争と
大学紛争そして大阪万博の開催に三島事件と賑やかな世相だった。

リリィのファースト・アルバム「たまねぎ」は72年のリリース。 
ファースト・ヒットの「心が痛い」は73年のセカンド・アルバム「ダルシマー」
に収録され、「私は泣いています」は翌74年のシングル・ヒットだった。
70年を区切りに社会が大きく変貌してゆく、そんな時代でもあった。

そんな70年から足掛け10年の期間東京で暮らした。 若者たちの関心は
政治からファッションへと移ってゆき、個性が重んじられる社会が醸成された。
一方でヴェトナム戦争の終結や沖縄の復帰、札幌オリンピック開催に変動為替制の
導入、オイル・ショックなど国際化への足取りが加速された時代でもあった。

今週月曜日は月が地球に最接近する満月ということで、見かけの大きさや明るさが
30%も増すいわゆるスーパームーンだった。 夕刻近くから曇り空で心配されたが
丁度満月を迎える午後10時前後には雲が切れ大きな月が明るく輝く様子が見れた。
地球上の様々な出来事も宇宙から見れば人間界の些細な生業にしか見えない。

くれないは ひとしけれども 月光に 比べて重き 柿の葉の落つ (晶子)


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