2009.12.19
12月22日は、二十四節気の一つ冬至、一年で昼時間が一番短い日だ。
暦の基準となる、二至二分(冬至、夏至、春分、秋分)の中でも、最も基本となる日で、
旧暦(太陰太陽暦)では、一年の始まりと考えられる日だ。
東洋では、「一陽来復」と呼び、陰から陽に転じる。
これからだんだん陽が長くなる、月で云えば新月(朔)にあたる日だ。
月の朔も、さかのぼって気付く意味だが、冬至も古代では過ぎてから気付いたと云われ、
クリスマスは冬至起源という説もある。
クリスマスになると、冬休みが始まり、お正月へ向けてのハレの日が続く。
大人たちは、あわただしく年末を送ったが、子供たちにも、短い冬休みは忙しかった。
この時期になると商店街は、クリスマス商戦で賑やかに飾り付けられ、クリスマスソングが
鳴り渡り、いつもとは違う光と音と匂いが、購買意欲をかきたてたものだった。
そんな活気に溢れた、年末特有の商店街の雰囲気は、今はもう無い。
街からおもちゃ屋さんが消えて久しい、サンタのプレゼントはどこで買うのだろう?
小学校の頃、冬になると専らスキーの毎日で、小出スキー場から、当時お世話になっていた
上町の親戚の家まで、スキーを履いたまま、帰ってくることが出来た。
あの時代は道路除雪の無い時代、自動車は冬には車庫に納まり、本町通りも浦町も、
雪の中にすっぽり埋まり、両側の雁木通りを雪のトンネルが繋いでいた。
豊かさや便利さは無かったが、時間がゆったりと過ぎてゆく。
文字通り「雪国」の風景が、そこにはあった。
快適になりすぎた雪国の住人には、ここで暮らす覚悟が薄らいで来ている。
雪が降り積もると、静かで暖かい冬が始まり、ものを考えるには良い環境になる。
暖かい火燵に入って、久しぶりにジャズボーカルを聞こう。
読みかけの本も、今年の内に決着をつけるには、冬の夜の長さはありがたい。
年賀状の準備もやらなくては・・・、それにしても年賀欠礼が年々増えてくる。
生きる時間に応じて、それだけ出会いと別れも、多くなる。
今年出会った人を思い起こせば、素敵な笑顔が浮かぶ。
今年送った人を偲ぶと、生きる時間の大切さと儚さをあらためて、思い知らされる。
冬至には、南瓜、蓮根、人参、銀杏、金柑など、「ん」のかさなる「運盛り」をしつらえ、
柚子湯に入って温まる。
けふはもう 帰るとしよう 冬至前 こんな時間に とっぷり暮れて(詠み人知らず)
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