会長ブログblog

2021.07.31

幸せな国

♪ ハァー あの日ローマで眺めた月が 今日は都の空照らす 四年経った ・・・

オリンピックの開会式で、参加選手団が50音順に入場してきたが、205の国と
地域の中に聞き覚えの無いものがいくつもあった。多くが旧ソヴィエト連邦や
東ヨーロッパそしてアフリカの国々だった。他に、ROC(ロシアオリンピック委員会)
としての参加や、国を追われた難民の選手団もあった。

日本のような島国では考えられないが、陸続きの国境はしばしば紛争や侵略に
より書き換えられる。最も頻繁に変えられてきたのが、アフリカの国々だ。
そうした国境線はほとんどが直線国境で、地域性や民族文化を無視した線引きが
行なわれてきた。朝鮮半島同様、その陰にはいくつもの悲劇が有る。

安定した国家に暮らすことが当たり前ではない事を再認識させられた。我が国の
ように2600年以上にも亘る歴史を持つ国家は稀であり幸せな事だ。そして、
もう一つ感じたのが、伝統や歴史に裏付けられた民族衣装をまとう国の少なさだ。
アフリカや中東諸国、アジアの一部の国は正装である民族衣装で入場した。

大坂なおみの例を引くまでもなく、日本代表で参加しているアスリートたちも、
肌の色や名前で漸く国際化が進んで来たことが分かる。逆に言えば、日本ほど
国際化に乗り遅れた国は珍しいという事。欧米では「何人?」という言葉は無く
「国籍は?」と聞くのが当たり前だ。国籍と人種は全くの別物だ。

個人に対する尊厳は国籍や人種が多様なほど尊重する。他人に対し常に個人と
して接するから敬意を持った接し方をする。多様性の尊重とはそういう事が基本
となっている。我が国のマスコミや政治家の中には、そうした礼儀を弁えない
言動が目立つ。そんな人たちに限ってダイバーシティなどと平気で言う。

今大会では、新種目として空手、スケート・ボード、スポーツ・クライミング、
サーフィンが採用された。共に13歳で金・銀メダルを手にした西矢椛と
ライッサ・レヤウ、3位の中山楓奈も16歳という十代の選手が上位を占め、
世界を驚かせた。近い将来e-スポーツが種目に選ばれる日が来るかも知れない。

競技に全力で打ち込む選手の姿勢は、見る者に大きな感動を与えてくれる。


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