会長ブログblog

2021.04.10

季節の変わり目

♪ どこかで春が生まれてる どこかで水が流れ出す どこかで雲雀が鳴いて ・・・

冬の間、真っ白に雪化粧した越後駒ケ岳や中ノ岳でも雪割れが進み、間もなく雪形が
出現する。小出から見る八海山は北斜面だが、急峻な岩山だから真冬でも岩肌が残る。
権現堂山など里山の南西斜面は白より地山が目立ってきた。サクラ前線も今週は長岡
まで来たし、来週は小千谷辺りまで登って来るだろう。

今頃は毎日2~3分ほど昼時間が延び、夜明けも早くなり夕方6時過ぎても明るい。
季節の変わり目はいつも行きつ戻りつで、暦や月で変わるほどハッキリとした線引き
は無いが、今年は3月から春の訪れが早かった。昨日は久々に冬型の気圧配置が戻り、
時雨れ模様の寒い日だった。こうした季節の変わり目にはいつも多くの訃報が届く。

先々週、柔道家で平成の三四郎の異名をとった古賀稔彦が53歳の若さで旅立った。
切れの良い背負い投げで、一本勝ちする柔道は見ていても気持ちが良い。柔良く剛を
制す、本来あるべき柔道を追求し、70キロ台なのに日本選手権で無差別級に挑戦し
準優勝したり、バルセロナとアトランタ・オリンピックでの活躍は忘れられない。

先日は、独自のキャラクターで存在感を示した俳優田中邦衛が88歳で老衰との報せが
届いた。私の世代では加山雄三の若大将シリーズの引き立て役、青大将の印象が強い。
基本的にはいわゆる悪役なのだが、憎めない感じの役作りだった。倉本聰の家族ドラマ
「北の国から」の父親役、黒板五郎の印象が強く、以降の役柄が決まった。

今週は脚本家の橋田寿賀子の訃報も届いた。昭和58年の連続テレビ小説「おしん」
は平均視聴率50%超えの金字塔を打ち立てた。我が国の戦中戦後の貧しくも厳しい
混乱期を生きた女の一代記は、国境を越え世界中で放映された。近年は、ドラマの
TBSで石井フク子と組んで「渡る世間は鬼ばかり」がロングランで人気を取った。

役者泣かせの長セリフと台本に忠実な演出で有名だったから、出演俳優も固定化し、
役どころも決まっていた。必ず憎まれ役を作るが、その人の存在を否定しない脚本を
書いた。人間を見る目は独特で、そもそも「渡る世間に鬼は無し」という慣用句から
「渡る世間は鬼ばかり」という逆説的な視点こそ、彼女本来の持ち味といえる。

ひさかたの ひかりのどけき春の日に しず心なく 花の散るらむ (紀 友則)


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