会長ブログblog

2021.02.06

スノーダンプ

♪ 雪がとけて 川になって流れてゆきます つくしの子が恥ずかしそ ・・・

今週3日には二十四節気の立春を迎え、東京では史上最短で春一番が吹いた。
魚沼の春はまだまだ先で、最高積雪深を記録するのは、平地で今月20日前後、
山間では3月上旬になる。もう暫くは雪との格闘が続くが、今月中旬過ぎれば
さすがに先が見えてくる。もうひと踏ん張りといったところだ。

雪国の生活も随分便利になったものだ。私が小学生の頃までは冬期間、道路は
雪に埋もれ、車は走れなかった。だから、降雪前に「タイヤ洗い」などと称し、
自動車は車庫に仕舞った。道路除雪も無かったので、物流は鉄道と人力による
橇が活躍した。昭和38年の豪雪がきっかけで本格的道路除雪の歴史が始まる。

小出は雪を流す「流雪溝」発祥の地だ。魚沼は水資源が豊富で、農業用水や
排水路に流れる水を、道路の端に設置された側溝に流し、除雪に利用した。
その後、長岡で開発された「消雪パイプ」が設置され、無雪道路が誕生した。
それからの冬は、他の季節と変わらぬ生活になっていった。

それでも、除雪作業は冬期間の重労働に変わりない。しかし、除雪作業が好き
という人もいる。除雪は、やっただけ結果が見える作業だ。屋根でも、玄関先
でも片付けた結果は一目瞭然だ。だから、作業は辛くても、やりがいがあるのが
除雪だ。建設業の土木工事や建築工事に共通する、成果が目に見える仕事だ。

かつて、屋根雪は木鋤(こすき)と呼ばれる木製の平坦なしゃもじ状の道具で
四角い立方体にし、雪樋(ゆきとい)に乗せて落とした。家の前に落とされた
雪は鉄製スコップで片づけた。昭和の終わり頃に登場した「スノーダンプ」が
除雪作業効率を飛躍的にアップさせた。雪を掘るのではなく、運ぶ道具だ。

テレビで北海道や関東などの除雪作業が写し出されるが、プラスチック製の
スコップや、ほうきで掃くような除雪は豪雪地の作業とは明らかに違う。
一晩で1メートルも積もる湿った雪は、金属製のスノーダンプで確実に処理する。
降れば毎日のことだからマイペースで作業し、決して無理してはいけない。

雪のうちに 春はきにけりうぐいすの こほれる涙いまや解くらん(藤原高子)


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