2019.03.16
今週水曜午後から木曜日にかけて、ほゞ1か月ぶりとなる本格的な降雪となった。
周辺の景色も春めいた暖色系から寒色系に変わり、季節が進むのを躊躇している。
戻ることがない時間の流れでも、季節の変わり目なら迷いながら行くのも悪くない。
例年今頃の時季、まだまだ雪は降るのだが、今年はここまで暖冬小雪だったから
少し気が緩んでいた。来週は春彼岸に入り本格的な春はすぐそこまで来ている。
本日、春のJRダイヤ改正に伴い、開業から37年目を迎える上越新幹線に新車両が
デビューする。北陸新幹線に採用されているグランクラス付きの「E7系車両」だ。
始めは一編成で上下往復5便から始まり、現在の「E4系」と徐々に入れ替わり、
2020年度末にはあのユニークな「MAXトキ2階建車両」が姿を消してゆく。
長距離鉄道が新幹線の時代になり、スピードと大量輸送を両立させた。
早くて静かで快適な乗り心地と、正確な運行時間で絶大なる信頼を得ている。
関門と青函の二つの海峡をトンネルで結んだことで、北海道から九州までの陸路
を席巻した。今や国内移動手段のトップランナーとなった。
今回のダイヤ改正に伴い、車内販売の廃止と扱い商品縮小の話題も入ってきた。
上越新幹線は維持するようだが、飲み物と簡単なスナックなどに限定し、弁当や
みやげ物は廃止するそうだ。列車旅の楽しみの一つは車内での飲食にある。
中でも駅弁や冷凍ミカンは鉄道ならではのオリジナル商品だ。
在来線の特急や急行の時代、食堂車が繋がれ食事時には多くのお客様で賑わった。
お盆や年末年始など、混雑するときにはずっと食堂車でビールを飲んでいたことも
記憶にある。列車は単なる移動手段でなく、時に語らい、食べ、時にゲームに
興じる動くレストランであり娯楽室でもあった。
車内販売も新幹線では乗車時間が短いこともあり、声をかけようか迷っている内に
あっという間に通り過ぎて行ってしまい、買いそびれることもしばしばだ。
駅が商業施設に変わり、なんでも駅で手に入るから簡単で便利になった。
しかし、その陰で失われてゆくのは「旅情」という代えがたい価値かもしれない。
君が着る えんじのコートにかすかなる 音にたつ程の淡雪のふる (柊二)
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