2013.03.16
♪ 悲しいことがあると 開く皮の表紙 卒業写真のあの人は やさしい目をしてる ・・・
3月は卒業や退職の時期でもあり、別れの季節でもある。
春を迎える喜びと、別れの寂しさが同居する、複雑な感情が交錯する。
特に中学校や高校の卒業は明日への希望よりも、慣れ親しんだ友との別れや、
想いを寄せていた人と会えなくなる事の方が辛かった。
卒業もそうだが、あの頃のことはその時々の音楽を聞くと思い出す。
中学校の卒業は昭和44年の春だった。 あの当時はテレビの歌謡番組も多く、
ゴールデンタイムや日曜の昼の時間にかけて各局それぞれの番組を持っていた。
テレビでは、いわゆる流行歌と呼ばれた様ざまなジャンルの歌手が出ていた。
グループサウンズやベンチャーズにより、バンドブームだったからギターが流行り、
一方で若者の間ではフォークソングも人気だった。
流行歌の商業主義を嫌い、フォークソングの反体制思想が若者には受け入れられた。
岡林信康やフォーク・クルセダースといった京都勢や関西勢が活躍した。
ラヂオの深夜放送ファンは洋楽に刺激され、ビルボードやキャッシュ・ボックスの上位
ランキングの曲をリクエストした。 ビートルズやストーンズも現役で活躍していたが、
サイモン&ガーファンケルやビージーズも次々にヒットを飛ばした。
アメリカやイギリスのポップスに交じって、カンツォーネやシャンソンも流行った。
古い話になってしまったが、最近買ったCDを見直してみたら、ロッド・スチュワートや
ジェームス・テイラーそれにポール・マッカートニーといった懐かしい人たちばかりだ。
内容も40年代~60年代の、いわゆるスタンダード・ナンバーのカバー・ヴァージョン
ばかりで、中でもロッド・スチュワートはアメリカン・ソングブックというシリーズで出している。
これらのアルバムに共通する魅力は、クラッシック音楽の鑑賞にも似た個性的な解釈に
よるアレンジにある。 そして何より、オリジナル曲の完成度の高さが、スタンダードと
呼ばれ歌い継がれている所以だ。 ポピュラー・ミュージックは時代の反映でもあるから、
その時々の新譜にこそ価値があるのだが、困った傾向だ。
明日からは春彼岸に入り、いよいよ本格的な春へと季節の変わり目を迎える。
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